フィジカルAI Thinkaってどんなプログラム?
「フィジカルAI Thinka」は、日本の主要産業が直面している構造的な課題を、まさに「フィジカルAI」の力で解決し、これからの産業の土台を築き上げることを目指しています。6ヶ月間のプログラム期間中、参加する起業家たちは、専門家による手厚い伴走支援と、実践的なアウトプットの機会を存分に活用できます。具体的には、フィジカルAIに深い知見を持つ起業家たちが集うコミュニティを基盤に、講師やアドバイザーによる合同セッションや個別メンタリングを通じて、専門的な知識をインプット。さらに、初期市場調査(PMR)や理想の顧客像(ICP)の特定、現場業務フローの整理といった実践的なワークを通して、事業を具体的に前進させていくことができます。
プログラムの最終日には、事業会社やベンチャーキャピタルへの直接ピッチの機会も用意されています。これにより、プログラム修了後すぐに顧客獲得や資金調達といった具体的な事業成長へと繋げられるはずです。フィジカルAIに精通したキャピタリストが常に伴走し、状況に応じて投資検討を行うという点も、起業家にとっては心強いサポートとなるでしょう。
なぜ今、フィジカルAIなのか?プログラムの開催背景
現代社会では、テクノロジーの進化がデジタル空間に留まらず、物理世界へと広がっています。大規模言語モデルから視覚言語モデルへと発展した「知能」は、今や現実空間を理解し、直接介入できる段階に達したと言われています。まさに、物理世界の動態を理解し、自律的にタスクをこなす「フィジカルAI」の時代が到来したのです。
日本は現在、少子高齢化による深刻な人手不足、熟練技術の継承問題、そしてインフラの老朽化など、基幹産業が様々な構造的課題に直面しています。これらの課題を乗り越え、供給制約を突破するための鍵となるのが、まさにこの「知能」、すなわちフィジカルAIなのです。グローバルではフィジカルAIを巡る競争が激化しており、日本が産業競争力を維持・強化していくためには、この領域に挑戦する起業家を継続的に生み出し、エコシステム全体の連携と共創を活性化することが不可欠です。このような背景から、ファーストライト・キャピタルは、フィジカルAI領域の起業家たちが集い、共に成長する場として「フィジカルAI Thinka」を立ち上げました。
募集概要と対象者
未来を創る起業家を支援する「フィジカルAI Thinka」の募集概要はこちらです。
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応募期間:2026年2月27日(金)〜2026年3月20日(金)
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採択者通知:2026年03月31日(火)
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プログラム実施期間:2026年4月 ~ 2026年10月
プログラムの詳細については、以下のページで確認できます。
プログラム詳細はこちら
応募はこちらから
対象者
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シード調達前後段階の起業家、または現在起業準備中の方
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起業前(在学中・在職中)の研究者やエンジニアで、本プログラム採択後に創業を予定している方
対象とする産業領域の例
「フィジカルAI Thinka」では、既存のカテゴリーにとらわれず、「現実世界への物理的介入」を伴う野心的な新しいアプローチを歓迎しています。具体的な産業領域の例としては、以下のような分野が挙げられます。
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インフラ&建設:熟練工の減少やインフラの老朽化といった危機に対し、建設機械の自動化や、現場全体を俯瞰する「空間知能」を実装することで、安全かつ効率的な作業を実現することを目指します。
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物流&モビリティ:物流クライシスや移動弱者の課題に対し、自動運転技術や群制御技術を応用し、物理的な移動ネットワークを再構築することで、社会全体の利便性向上に貢献します。
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製造&生産:これまでのFA(ファクトリーオートメーション)では難しかった「柔軟性」をAIで実現します。これにより、技術継承の課題や人手不足の壁を乗り越え、持続可能な生産体制を確立します。
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一次産業:広大なフィールドと予測不能な自然環境という条件下で、センシング技術とロボティクスを組み合わせることで、「持続可能な食料生産」を実現し、食料問題の解決に貢献します。
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サービス・生活・社会基盤:医療、介護、災害対応など、失敗が許されない環境や、ホスピタリティが求められる現場で、AIが人を支え、守る役割を担います。これにより、より安心で豊かな社会の実現を目指します。
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汎用ヒューマノイド&基盤モデル:特定のタスクに限定されず、「あらゆる環境」に適応できる「汎用人型ロボット」や、それを動かすための「ロボット用基盤モデル」の開発は、フィジカルAIの究極の目標の一つと言えるでしょう。
フィジカルAI Thinkaを支える豪華アドバイザー・講師陣
本プログラムには、フィジカルAI、ロボティクス、AI基盤領域で豊富な実績を持つ専門家や事業家が、講師やアドバイザーとして多数参画しています。彼らが技術面と事業面の両方から、実践的な支援を提供してくれます。
講師陣
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宇尾野 彰大氏|株式会社事業人 代表取締役・共同代表

早稲田大学卒業後、株式会社リクルートで営業、事業開発、経営企画など多岐にわたる経験を積まれました。ゲーム開発会社では開発統括・PMOを担当し、株式会社ユーザベースでは人事統括、株式会社ニューズピックスでは人事責任者/HRBPを務められた後、株式会社事業人を創業。大手企業からスタートアップ、学校法人まで、幅広い組織で社外CHROとして組織戦略の策定・実装、幹部採用、PMI案件に多数関与されています。組織づくりのリーダー「FutureEnabler」の輩出を目指し、経営と現場の両面で伴走支援・育成に取り組む、まさに組織づくりのプロフェッショナルです。一般社団法人日本HRBP協会理事やPodcast「おいしい組織」MC、株式会社インバウンドプラットフォームの社外取締役も務めていらっしゃいます。 -
白木 裕士氏|TechMagic株式会社 代表取締役社長

高校・大学時代をカナダで単身留学し、ハーバード大学院COReを修了されました。ボストン コンサルティング グループでは、通信・製造業を中心に、新規事業開発、グローバル戦略、組織改革など、多岐にわたるプロジェクトに従事。大学時代に起業し、Exit実績も持つという経験豊富な起業家です。2018年にTechMagicを創業し、テクノロジーで社会課題解決に挑んでいます。 -
野﨑 大幹氏|Zen Intelligence株式会社 代表取締役

慶應義義塾大学・大学院で情報工学を専攻し、未踏IT人材発掘・育成事業にも採択された実績をお持ちです。変形しながら不整地を移動するソフトロボットの研究・開発を行い、IEEE IROSなどのロボット分野の国際会議で複数採択・発表されています。卒業後はArthur D. Little Japanで製造業に対する新規事業戦略や中長期戦略の策定支援に携わり、Zen Intelligence株式会社を創業。剣道5段の腕前もお持ちで、建設会社での現場監督見習いの経験から、AIとハードウェア技術による現場課題解決サービスを着想されたという、実践と研究の両方に精通した方です。 -
松井 健氏|ugo株式会社 代表取締役 CEO

東京工科大学 メディア学部を卒業後、2006年に(株)モンスターラボの創業メンバーとして参画。2011年にはIoTデバイス開発会社を創業し量産経験を積んだ後、2018年にugo株式会社を創業し代表取締役CEOに就任されました。オフィスビルや商業施設の警備、データセンターや発電所の点検分野で同社のロボットが導入されており、「第11回 ロボット大賞 ビジネス・社会実装部門 優秀賞」や「第8回インフラメンテナンス大賞 総務大臣賞」を受賞。経済産業省の“J-Startup”にも選定されるなど、日本のロボティクス市場を牽引する存在です。 -
村上 未来氏|株式会社somebuddy 代表取締役(共同経営者)

2000年に慶應義塾大学商学部を卒業し、公認会計士の二次試験に合格後、中央青山監査法人に入所されました。その後、UBS証券投資銀行本部、KPMGヘルスケアジャパンを経て、2012年にユーザベースに入社。CFOとして同社のIPOやファイナンス、米国企業の大型買収などに尽力し、2019年4月に独立しsomebuddyを設立されました。現在はクリアル株式会社、株式会社ユーグレナ、INCLUSIVE株式会社、ランサーズ株式会社の社外取締役・監査役も務める、まさに財務と経営のプロフェッショナルです。 -
頼 嘉満|ファーストライト・キャピタル株式会社 マネージング・パートナー

国際基督教大学卒業後、日欧でDX・業務改革プロジェクトに従事。その後、米系戦略ファームで製造業・ヘルスケア・消費財業界の経営戦略立案やアジア進出プロジェクトの統括責任者を務められました。DCM Venturesではfreeeなどのスタートアップへの投資を担当。2014年には中国テック企業Happy Elementsに参画し、取締役兼日本代表として日中における新規事業の立ち上げを統括されました。IEビジネススクールMBA修了。JVCA理事も務めており、国内外での豊富な経験を持つ、まさにファーストライト・キャピタルのキーパーソンです。
アドバイザー陣
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岡 瑞起氏|千葉工業大/Artificial Life Institute

千葉工業大学 変革センター主席研究員であり、博士(工学)の学位をお持ちです。一般社団法人人工生命国際研究機構代表理事、株式会社ConnectSphere代表取締役を務め、経済産業省「未踏IT人材発掘・育成事業」プロジェクトマネージャーでもあります。専門は人工生命、Open-Endednessの研究で、著書に『ALIFE:人工生命──より生命的なAIへ』があります。AIが企業活動や人間の創造性にもたらす影響を、学術研究とビジネス実践の両面から探求されています。 -
木村 公哉|アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 スタートアップ事業本部 技術統括部 シニアスタートアップソリューションアーキテクト

2023年よりディープテックスタートアップを担当し、支援プログラムの立ち上げなどに尽力されています。2025年からはフィジカルAIをはじめとしたロボティクス関連領域にも支援を拡大し、2026年1月には「フィジカルAI開発支援プログラム by AWSジャパン」を発足されました。VCや政府との議論を通じて、フィジカルAI・ディープテック領域のエコシステム形成にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。 -
中川 友紀子氏|株式会社アールティ 代表取締役

2005年にサービスロボットの開発・販売・研修を手掛ける株式会社アールティを創業し、代表取締役に就任されました。「Life with Robot」「Work with Robot」をミッションに掲げ、AIとロボティクスの高度人材育成を行う教育事業と、AIとロボットによる軽作業の自動化を推進するフィジカルAI事業を展開されています。2017年には未来創生ファンドから投資を受け、食品工場向け人型協働ロボット「Foodly」や人型ロボットの開発を進めるなど、成長中のフィジカルAIベンチャー企業として注目を集めています。 -
針原 佳貴|アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 スタートアップ事業本部 技術統括部 シニア フロンティア AI スタートアップ ソリューションアーキテクト

AWS Japanにて、生成AIスタートアップ企業を中心に2019年頃から技術支援を担当されています。マルチモーダル生成AIに従事し、「写真で一言 ボケて電笑戦」を企画しACCブロンズ受賞。AWS LLM開発支援やAmazon Bedrock Marketplaceでの日本発基盤モデル公開、フィジカルAI支援などを通じて、日本国内の生成AI技術発展に携わっています。日本におけるクラウド量子コンピューティングサービス Amazon Braket の普及や、国産量子コンピュータのクラウド公開にも尽力。大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 招へい准教授、東京大学 大学院 情報理工学系研究科 博士課程修了(博士(情報理工学))という輝かしい経歴をお持ちです。
ファーストライト・キャピタルってどんな会社?
ファーストライト・キャピタルは、SaaS、AI、オートメーションといったデジタル領域のスタートアップに投資を行っているベンチャーキャピタルです。日本の人口減少に伴う社会課題の解決に挑む、アーリーステージのスタートアップに対して、投資と成長支援を提供しています。世界の新産業を創造する「起業家と事業」の成長プロセスを、「リアルな事業経験」を基にリードし、投資先のビジョン実現をサポートしている、まさに起業家の頼れるパートナーです。
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会社名:ファーストライト・キャピタル株式会社
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所在地:東京都港区愛宕二丁目5番1号 愛宕グリーンヒルズMORIタワー35階
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代表:代表取締役 岩澤 脩
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設立:2018年2月16日
まとめ
ファーストライト・キャピタルが始動した「フィジカルAI Thinka」は、日本の抱える喫緊の課題を、最先端のフィジカルAI技術で解決しようとする起業家にとって、またとないチャンスとなるでしょう。豪華な講師陣とアドバイザー、そして実践的な支援を通じて、きっと多くの革新的な事業がここから生まれるはずです。未来の産業を創造する意欲的な起業家たちの応募が、今から楽しみですね!