AIは「購買のきっかけ」にはなるけれど…
今回の調査でまず注目すべきは、生成AIやAI検索の利用経験が全体の77.9%にものぼる点です。特に20代では「ほぼ毎日利用」している人が54.5%と半数以上を占め、AIが情報収集の主要なツールとして定着していることがうかがえます。
そして、AI利用者のうち57.2%もの人が「AIの回答がきっかけで購入・申込・来店した経験がある」と回答しています。これはAIが、新しい商品やサービスを知る「入口」として非常に強力な役割を果たしていることを示しています。
20代に限定すると、「何度もある」と答えた人が44.2%に達しており、若い世代を中心にAIが購買行動に与える影響はすでに大きいと言えるでしょう。

しかし、AIがきっかけで購買につながる一方で、「調べずにAIの回答だけで判断する」と答えた人は、なんとわずか2.4%に過ぎませんでした。これは、AIの回答が「答え」そのものではなく、「候補の提示」として受け止められていることを意味しています。
多くの消費者は、AIで知った情報に対して、購入前に別の場所で「裏取り」をしている実態が明らかになりました。
購買の「関門」はSNSの「裏取り」にあり
では、AIで知った商品の「裏取り」はどこで行われているのでしょうか?
調査によると、最も多く利用されたのは「Google等の検索エンジン」で41.2%でした。これは納得の結果かもしれません。しかし、その後に続くのは「X(旧Twitter)の投稿・評判」34.0%、「ECサイトのレビュー」28.8%、「Instagram(投稿・リール)」28.4%、「YouTubeのレビュー・解説動画」25.6%と、SNSや動画サービスが上位を占めています。
X、Instagram、YouTube、TikTokといったSNS・動画サービスの延べ選択数は合計259件となり、Google(103件)の約2.5倍にものぼります。この数字は、消費者が商品の信頼性やリアルな使用感を確かめる上で、SNSがどれほど重要視されているかを物語っています。

つまり、AIが新しい情報を提供しても、その情報がSNS上で裏付けられているかどうかが、消費者の購買意欲を左右する大きなポイントとなっているのです。
SNSの口コミがなければ購入見送りも
さらに興味深いのは、AIにすすめられた商品を調べた際に、SNSに投稿や口コミがほとんど見つからなかった場合の消費者の反応です。
この状況で「不安になり、購入をやめることがある」と回答した人が34.4%、「少し不安になるが、購入はする」と回答した人が27.6%で、合計すると62.0%もの人が「不安を感じる」と答えています。

この結果から、AIによって商品が認知されても、SNS上に情報が不足していると、3人に1人が購入を取りやめる可能性があることが示唆されています。現代の購買行動において、SNS上の情報量そのものが、もはや「購買の前提条件」になりつつあると言えるでしょう。
AI回答への引用元表示が信頼性を高める
では、企業はAI時代にどのように情報発信していくべきなのでしょうか。
調査では、AIの回答に企業のSNS投稿やYouTube動画が引用元として表示された場合、59.6%が「信頼が上がる」と回答しています(「引用元があると信頼が上がる」28.4%+「内容によっては上がる」31.2%)。
この結果は、AI経由の認知とSNS上のコンテンツの質が、密接に結びついていることを示しています。消費者は、AIが提示した情報に対して、それがどこから来ているのか、信頼できる情報源なのかを重視していることがわかります。
調査の背景と概要
今回の調査は、ChatGPTやGoogleのAI Overviewといった生成AIの普及により、商品認知の機会が急速に増える中で実施されました。企業のマーケティングにおいても「AIの回答に自社を登場させる」LLMO(AI検索最適化)への関心が高まっていますが、AIの回答が実際の購買行動にどう影響しているかを定量的に示すデータはこれまで多くありませんでした。
株式会社TaTapは、AI検索とSNSの関係性を消費者データで明らかにするため、本調査を実施したとのことです。
調査概要
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調査名: AI検索時代の購買行動調査(TaTap SNS調査 第1回)
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調査主体: 株式会社TaTap(自社調査)
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調査手法: インターネットリサーチ(外部モニターパネルを利用したセルフ型調査)
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調査対象: 全国の20〜49歳男女
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有効回答数: 321名(20代112名/30代105名/40代104名、男性168名・女性153名)
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調査期間: 2026年7月30日〜8月1日
より詳細な調査結果は、以下のページで公開されています。全設問・グラフ11点・年代別クロス分析など、さらに深い洞察が得られます。
AI時代におけるマーケティング戦略の鍵
今回の調査結果は、AIが購買の「きっかけ」を作り、SNSが「裏付け」を提供することで、最終的な購買行動につながるという、現代の新しい消費者の購買フローを明確に示しています。
企業にとって、AI検索最適化(LLMO)によってAIの回答に自社の商品やサービスを登場させることはもちろん重要です。しかし、それだけでは十分ではありません。
AIで興味を持った消費者が次にSNSで情報を探すことを考えると、SNS上での活発な情報発信、ユーザーによるリアルな口コミ(UGC:User Generated Content)の創出、そして信頼性の高いコンテンツ提供が不可欠です。
具体的には、以下の点がマーケティング戦略の鍵となるでしょう。
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AI検索対策(LLMO)の強化:AIの回答に自社情報を適切に表示させるための施策。
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SNSコンテンツの充実:X、Instagram、YouTubeなどで商品の魅力や使用感を伝える質の高いコンテンツを継続的に発信。
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UGCの促進:消費者が自ら情報を発信したくなるようなキャンペーンやコミュニティ形成。
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引用元明記の徹底:AIが自社コンテンツを引用する際に、情報源が明確に表示されるよう働きかけ、信頼性を高める。
AIが情報探索の起点となり、SNSが購買を後押しする現代において、両者を連携させた多角的なマーケティング戦略が成功の鍵を握っていると言えそうです。
株式会社TaTapは、Instagram・TikTok・YouTube・Xを中心としたSNSマーケティング支援やインフルエンサーマーケティング、EC・D2Cの売上グロース支援、AI検索対策(LLMO)コンサルティングまでを一気通貫で支援しています。今回の「TaTap SNS調査」は、生活者のSNS・AI利用実態を継続的に把握するために定期的に実施されている自社調査です。
詳細については、株式会社TaTapの公式サイトをご覧ください。