調査結果サマリー:マーケティングの重心が大きく移動中!

今回の調査で明らかになった主なポイントは、以下の通りです。

  • SNS広告・インフルエンサーマーケティングの目的が、これまでの「認知拡大」中心から、「流入・獲得・継続」を重視する設計へと大きく変化しています。事業貢献を目的とする割合は、約3割から約5割へと拡大しました。

  • 重点的に使われる媒体も変化しています。以前はX(旧Twitter)が中心でしたが、現在はYouTubeやTikTokへとシフト。Xの利用は約3割から約2割に低下した一方で、YouTubeは約3割にまで伸びています。

  • インフルエンサーマーケティングの運用は、単発のタイアップやギフティングから、長期契約や複合的な設計へと移行しています。今後も約3割の企業が長期契約を志向しているとのことです。

  • インフルエンサーマーケティングで重視される指標も多様化しています。単純な獲得数だけでなく、流入、検索、来店といった「行動」に近い指標が拡大し、「来店・予約」は約2割半まで上昇しています。

  • インフルエンサーの選定基準も変化しています。過去に比べて、フォロワー数や属性よりも、エンゲージメント率やインフルエンサーとの関係性、クリエイティブ力が重視される傾向にあります。

  • 現在の最大の課題は「効果測定が難しい」ことで、約5割がこの点を挙げています。また、「KPI合意が取りにくい」「計測環境が十分でない」もそれぞれ約3割の企業が課題として認識しています。

認知拡大から事業貢献へ!目的意識の変化

まず、直近12カ月で企業が実施したデジタルマーケティング施策の状況を見てみましょう。SNS広告は61.3%、自社SNS運用は52.7%と、すでに半数以上の企業が取り組んでいることがわかります。しかし、インフルエンサーマーケティングは29.7%にとどまり、まだ「当たり前の施策」として完全に定着しているとは言えない状況です。

直近12カ月で実施した「デジタルマーケティング施策」のグラフ

そんな中で、SNS広告とインフルエンサーマーケティングの目的には大きな変化が見られます。過去と現在を比較すると、「認知拡大」は35.8%から25.3%へ、「興味喚起・比較検討促進」は23.5%から18.8%へと減少しました。

一方で、「Web流入・来店促進」は18.6%から25.1%へ、「新規獲得」は10.5%から16.3%へ、「継続率向上・ファン醸成」は2.9%から8.8%へと上昇しています。これは、マーケティングファネルの上流(認知)目的の比率が縮小し、下流(事業貢献)目的が拡大していることを示しています。つまり、SNS広告やインフルエンサーマーケティングが単なる「話題作り」の場から、「顧客の送客・獲得・継続」といった具体的なビジネス成果に直結する場へと変化していると言えるでしょう。

SNS広告およびインフルエンサー施策の“過去と現在”での目的のグラフ

重点媒体はXから動画系へ!運用体制とクリエイティブも進化中

次に、どのSNS媒体が重点的に使われているかを見てみましょう。X(旧Twitter)は29.6%から19.2%へと大きく利用が低下しました。代わりに、YouTubeは26.9%から30.7%へ、TikTokは2.1%から6.1%へと上昇しています。Instagramは28.7%から29.2%とほぼ横ばいです。

この結果は、特定の媒体に集中するというよりは、X中心のテキストベースのコミュニケーションから、動画コンテンツや視聴体験を重視した媒体設計へと重点が移っていることを示唆しています。特にTikTokの増加幅は小さいながらも注目すべき点です。

“過去と現在”での重点媒体のグラフ

施策ごとの現在の運用状況を見ると、SNS広告は「外注主導」(完全に外注と外注の割合が多いの合計)が50.9%で最多でした。これは、専門的な知識やツールが必要とされるため、外部のプロに任せる企業が多いことを示しています。

一方、自社SNS運用は「内製主導」(完全に内製と内製の割合が多いの合計)が41.5%と高く、比較的社内で運用しやすい領域であることがわかります。インフルエンサーマーケティングは、「外注主導」が39.3%、「半々」が26.6%、「内製主導」が19.6%という構成でした。これは、社内だけで完結させるのが難しく、かといって完全に外注に任せきれないという、インフルエンサーマーケティング特有の運用難易度を浮き彫りにしています。

施策別の現在の運用状況のグラフ

クリエイティブの傾向にも変化が見られます。SNS広告では「短尺動画の活用」(35.8%)、「クリエイティブの量産」(32.0%)、「UGC風・生活者素材の活用」(28.1%)が上位を占めました。自社SNS運用では「量産」(26.1%)、「生成AIの活用」(24.1%)、「短尺動画」(22.6%)が上位です。

インフルエンサーマーケティングでも「量産」(28.3%)、「短尺動画」(23.3%)が上位に挙がっていますが、「特に変化はない」という回答も24.2%ありました。全体的には動画コンテンツの増加、クリエイティブの多量生産、そして生成AIの活用が進んでいる傾向が見られます。しかし、インフルエンサーマーケティングにおいては、クリエイティブそのものよりも、契約形態や評価設計の見直しの方が大きな変化として捉えられているのかもしれませんね。

過去と比べて現在の「SNS/インフルエンサー関連施策」で増えたクリエイティブの傾向のグラフ

インフルエンサーマーケティングは単発から長期へ!評価軸も「露出」から「行動」へ

インフルエンサーマーケティングの方針も大きく変わってきています。過去から現在への変化を見ると、「単発のタイアップ/PR投稿(固定報酬)」は23.9%から16.4%へ、「商品提供(ギフティング)」は26.6%から19.1%へと減少しました。

その一方で、「長期契約(アンバサダー契約等)」は16.9%から25.1%へ、「成果連動」は6.7%から11.9%へ、「固定+成果のハイブリッド」は4.8%から7.5%へと増加しています。これは、短期的な「露出獲得」から、継続的な関係構築を通じて成果を追求する方向へとシフトしていることを明確に示しています。

“過去と現在”での「インフルエンサー施策」の方針のグラフ

インフルエンサーマーケティングで最も重視するKPI(重要業績評価指標)にも変化が見られます。「来店・予約」が22.7%から24.6%へ、「クリック/流入」は12.4%から15.7%へ、「指名検索」は2.7%から7.2%へ、「再生・リーチ数」は6.7%から8.4%へと上昇しました。これは、単なる獲得や認知だけでなく、比較検討や送客、来店といった、より具体的な顧客行動まで含めて評価する流れが強まっていることを示しています。

特に「指名検索」の伸びは注目に値します。インフルエンサーマーケティングが、ブランドの認知だけでなく、顧客が商品を検討するきっかけやブランドを想起させる装置としても評価され始めていると言えるでしょう。

“過去と現在”での「インフルエンサー施策」で最も重視している指標のグラフ

さらに、インフルエンサーの選定基準も変化しています。「フォロワー属性」は43.7%から27.6%へ、「フォロワー数」は43.1%から34.5%へと低下しました。一方で、「エンゲージメント率」は22.0%から28.2%へ、「フォロワーとの距離感」は17.1%から23.3%へ、「クリエイティブ」は11.9%から19.5%へ、「コストパフォーマンス」は12.8%から17.6%へと上昇しています。

これは、選定基準が「誰にどれだけ届くか」という量的な評価から、「どんな反応が起きるか」「どのように表現できるか」という質的な評価へと、より明確にシフトしていることを示しています。単にフォロワーが多いだけでなく、フォロワーとの関係性が深く、質の高いコンテンツを制作できるインフルエンサーが求められているのですね。

“過去と現在”での「インフルエンサー施策」におけるインフルエンサー選定の重視点のグラフ

最大の壁は「効果測定」と「社内説明」!今後は「長期・ハイブリッド型」が主流に

現在のSNS/インフルエンサー関連施策における課題として、最も多く挙げられたのは「効果測定が難しい」で49.0%に達しました。続いて、「社内でKPIの合意が取りにくい」(30.3%)、「計測環境が十分でない」(30.2%)が並びます。

その他にも、「インフルエンサーとのコミュニケーションが難しい」(28.4%)、「コンプライアンス対応の負荷が大きい」(25.2%)、「ブランド毀損/炎上リスクが不安」(23.4%)といった課題も高い水準で挙げられています。これらの結果から、施策そのものへの関心や必要性が低いわけではなく、評価のしづらさ、運用負荷の高さ、そして社内での説明の難しさが、実務上の大きなボトルネックになっていることがわかります。

「SNS/インフルエンサー関連施策」における課題のグラフ

このような状況を踏まえると、今後のインフルエンサーマーケティングにおける報酬体系がどうなるかも気になるところです。「長期(アンバサダー契約等)を中心にしたい」という回答が31.8%で最も多く、「固定+成果のハイブリッドを増やしたい」が25.3%と続きました。「単発の固定報酬を中心にしたい」は15.7%にとどまっています。

このことから、今後の主流は単発発注ではなく、継続的な関係構築を前提としつつ、必要に応じて成果要素も組み合わせる「中間解」のような設計が考えられます。固定報酬だけでも、完全成果報酬だけでもない、柔軟な報酬体系へのニーズが高まっていることがうかがえますね。

今後の「インフルエンサー施策」における報酬体系のグラフ

デジタルマーケティングの第一人者・友澤氏の解説コメント

今回の調査結果について、パーソルテンプスタッフ株式会社 最高マーケティング責任者CMOである友澤 大輔氏からもコメントが寄せられています。

友澤氏は、「今回の調査結果にはかなり納得感があります。SNSやインフルエンサー施策は、もはや認知を広げるためだけのものではなく、事業成果にどうつなげるかまで含めて期待される施策になってきたと感じます。」と述べています。その背景には、メディア接触の変化、特に若い世代における動画コンテンツへの自然な接触時間の長さや、親和性の高いマイクロインフルエンサーの発信が人を動かしやすい場面が増えていることが挙げられます。

一方で、「SNSは検索広告のようにラストクリックで効果を説明しにくく、間接的な態度変容をどう捉えるかが難しい領域でもあります。」とも指摘されています。だからこそ、単純なリーチだけでなく、行動変容やエフェクティブリーチまで見ながら、小さく試して実績を積み上げ、社内で説明できる形にしていくことが重要だと強調されています。

Macbee Planetの藤原氏とパーソルテンプスタッフの友澤氏の対談写真

調査概要と利用条件

今回の調査は、以下の要領で実施されました。

  • 調査名: マーケティング担当者1,200人のSNS広告およびインフルエンサーマーケティングに関する“過去・現在”比較調査

  • 調査方法: IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査

  • 調査期間: 2026年3月16日〜3月19日

  • 有効回答数: 企業でマーケティング業務に従事する担当者1,221名

≪利用条件≫

  1. 情報の出典元として「株式会社Macbee Planet」の名前を明記してください。
  2. Webサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。

関連コンテンツ

今回の調査結果に関連して、Macbee Planetの代表・藤原氏とパーソルテンプスタッフ株式会社 最高マーケティング責任者CMO・友澤 大輔氏の対談記事も公開されています。

すべてのマーケティングを成果報酬に『Macbee Planet』

今回の調査を実施した株式会社Macbee Planetは、「すべてのマーケティングを成果報酬に」を掲げるマーケティングカンパニーです。認知・獲得・リテンションという各ファネル(顧客が商品やサービスを認識し、購入に至るまでの段階)を成果報酬で提供しています。

同社は、独自のトラッキング技術と「データ×テクノロジー×コンサルティング」の力を組み合わせることで、顧客のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を予測し、ROI(Return On Investment:投資収益率)を最適化する成果報酬型マーケティングを提供しています。これにより、クライアントのリスクを最大限に抑えながら、確実な顧客獲得を実現しているのが特徴です。

会社概要

  • 会社名: 株式会社Macbee Planet

  • 代表者: 代表取締役社長 千葉 知裕

  • 所在地: 東京都渋谷区渋谷3-11-11

  • 資本金: 2,635百万円(2025年4月末現在)

  • 設立日: 2015年8月25日

  • 事業内容: 成果報酬マーケティング事業

  • 『Macbee Planet』公式サイト: https://macbee-planet.com

  • 『Macbee Planet』公式X: https://twitter.com/Macbee_Planet

まとめ

今回の調査結果から、SNS広告とインフルエンサーマーケティングが、単なる「バズり」や「認知」の獲得だけでなく、より具体的な「事業貢献」へとその役割を深めていることがわかりました。特に動画コンテンツの台頭や、インフルエンサー選定における「質」の重視、そして効果測定の難しさといった課題は、今後のマーケティング戦略を考える上で非常に重要なポイントと言えるでしょう。

マーケティング担当者の皆さんは、この変化の波に乗り遅れないよう、常に最新のトレンドをキャッチアップし、より効果的な戦略を構築していくことが求められます。今回の調査結果が、皆さんのマーケティング活動の一助となれば幸いです!