長期検討が必要な商品だからこその課題

家具やインテリアは、毎日使うものだからこそ、お客様はじっくり検討する傾向があります。一度の来店で即決、というケースは少なく、何度も足を運んだり、家族と相談したりと、購入までの期間が長くなることが一般的です。

また、最初は雑貨を買いに来たお客様が、後々になって「そういえば、あの店で家具も見てみようかな」と検討を始めることも少なくありません。こうしたお客様一人ひとりの状況や検討度合いを把握し続けることは、店舗スタッフにとって大きな課題でした。

リビングハウスでは以前からLINEを使ってお客様と個別にやり取りをしていましたが、そこにはこんな悩みがあったそうです。

  • 顧客情報の属人化: 接客時にヒアリングしたお客様の住まいの状況、好み、検討中の商品といった貴重な情報が、個々のスタッフの記憶やメモに留まりがちでした。これでは、担当者が不在の時や異動があった際に、お客様がまた同じ話をしなければならない、といった非効率が生じてしまいます。

  • データ活用の限界: 購入履歴や接客で得た情報が十分に蓄積・分析されていなかったため、お客様一人ひとりに合わせた最適な情報提供や提案が、経験豊富なベテランスタッフの勘に頼る部分が大きかったのです。これは、企業全体の顧客理解という視点で見ると、もったいない状況だったと言えるでしょう。

「anybot」導入の決め手は“柔軟な権限管理”

こうした課題を解決するために、リビングハウスが「anybot」の導入を決めた最大のポイントは、その「柔軟な権限管理」機能でした。

多くの企業でLINE公式アカウントを運用する際、全店舗で共通のアカウントを使うか、店舗ごとにアカウントを分けるかで悩むことがあります。リビングハウスの場合、LINE公式アカウントは全社で一つに集約しつつも、各店舗のスタッフが閲覧できる顧客情報を自店舗の範囲に限定できる仕組みが重要でした。

これにより、本部からは全社共通のキャンペーン情報などを一括で配信しつつ、各店舗のスタッフは、自分の店舗のお客様にだけ、よりパーソナルな情報を提供したり、個別相談に応じたりできる運用体制が構築されました。これにより、セキュリティを確保しながら、全社的な販促施策と、リビングハウスの強みであるきめ細やかな個別接客を安全に両立できるようになったのです。

「anybot」で実現した新しい顧客体験

「anybot」の導入によって、リビングハウスではお客様との接点や情報管理において、以下のような進化を遂げました。

  • LINEミニアプリで会員証発行&POS連携: お客様はLINE上で簡単に会員証を発行できるようになりました。この会員証がPOSシステムと連携することで、過去の購入履歴がデジタルで一元管理されるようになったのです。これにより、お客様の購買行動が「見える化」され、より具体的な提案に繋げられる基盤ができました。

  • 接客情報のCRMへの蓄積: 店舗での接客中にスタッフが聞き取った、お客様の住まいの状況、ライフスタイル、好み、興味を持っている商品などの情報が、CRM(顧客関係管理)システムにしっかりと蓄積されるようになりました。これにより、お客様の「声」がデジタルデータとして残り、いつでも参照できるようになります。

  • パーソナルなセグメント配信: 蓄積された購入履歴や接客情報に基づいて、お客様ごとに関心度の高い情報をセグメントして配信することが可能になりました。「このお客様はナチュラルテイストが好きだから、新作の木製家具の情報を送ろう」「お子様がいる家庭だから、家族で使えるソファの情報を届けよう」といった、一人ひとりに響く情報提供ができるようになったのです。

  • 2層構造の運用体制: 本部からの一括配信と、店舗スタッフによる個別対応を組み合わせた、効率的かつきめ細やかな2層構造の運用が実現しました。これにより、お客様は必要な情報をタイムリーに受け取れるだけでなく、困った時にはいつもの店舗のスタッフに気軽に相談できる環境が整いました。

信頼関係が途切れない「LINE上のカルテ」

リビングハウスの最大の強みは、店舗スタッフがお客様一人ひとりと丁寧に向き合う「1to1接客」です。しかし、これまではそのお客様にふさわしい情報を提供する技術が、個々のスタッフの経験や知識に依存しがちでした。

「anybot」導入後、お客様の購入履歴や店舗で聞き取った情報が、まるで「LINE上の“カルテ”」のように蓄積される環境が構築されました。これにより、再来店時のお客様への提案がよりスムーズになったり、お客様の関心に合わせたセグメント配信が可能になったりといった具体的な効果が生まれています。

例えば、以前は購入に至らなかったお客様に、後日「anybot」を通じて適切なタイミングでクーポンを配信したところ、それがきっかけで再来店に繋がり、家具の購買意向を把握して次の商談へ進める、という新しい顧客導線が生まれているそうです。

また、お客様にとってLINE公式アカウントは「〇〇店のスタッフ△△さんに相談できる、いつもの窓口」として認識されるようになりました。実店舗で築かれた信頼関係がLINE上でも途切れることなく継続し、お客様から積極的に個別相談が寄せられるようになったのは、デジタルツールが人と人の繋がりを強化した良い例と言えるでしょう。

さらに、各店舗の顧客データが集まることで、「この店舗のお客様はナチュラルなテイストを好む傾向がある」といった地域ごとの傾向が可視化され、それが今後の商品構成の検討にも反映されるようになったとのこと。データに基づいた店舗運営が可能になることで、よりお客様のニーズに合った魅力的な店舗づくりに繋がります。

ノートパソコンで作業する女性の様子

今後の展望:接客品質のさらなる標準化へ

リビングハウスの宮田真穂様は、今後の展望についてこう語っています。

「今後はオフライン接客を起点にしたシナリオ配信をさらに強化し、スタッフの工数削減と接客品質の標準化を目指します。」

「シナリオ配信」とは、あらかじめ設計された一連のメッセージを自動で順に送る仕組みのこと。これにより、これまでスタッフごとの経験や知識に依存していた情報提供をシステム化し、どの店舗・どのスタッフでも、お客様に一定水準以上の接客体験を提供できる体制づくりを進めていくそうです。これは、お客様にとっても、より安定した質の高いサービスを受けられるというメリットがあるでしょう。

「anybot」サービス概要

「anybot」は、導入実績17,000社以上を誇るLINE上での自動接客を実現するLINEミニアプリ・チャットボット開発ツールです。その最大の特長は、あらゆる機能をノーコード(プログラミング不要)で構築できる点にあります。

これにより、専門的な知識がなくても、低コストかつ短期間でのシステム実装が可能になります。LINEだけでなく、メッセンジャーやメールなど、既存の多様なプラットフォームに多彩な機能を追加し、お客様がより便利にサービスを利用できる環境を提供しています。

エボラニ株式会社について

2018年に横浜で創業したITベンチャー、エボラニ株式会社は、「anybot」を主要サービスとして、多くのお客さまの課題解決とデジタル化を促進しています。彼らは事業活動を通じて、地域活性化やIT人材育成にも積極的に取り組み、社会貢献にも力を入れている企業です。

特に、LINEヤフー社からは「LINE公式アカウント」「LINE広告」「LINEで応募」「LINEミニアプリ」を中心としたマーケティングソリューションとAPI関連サービスの導入において、技術支援を行うパートナーとして「Technology Partner」に認定されており、その技術力と実績は高く評価されています。

「anybot」に関するより詳しい情報や活用事例は、以下の記事で確認できます。

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