飲食店開業データから見る、時代の変化

最近、街を歩いていると新しいカフェやスイーツ店が増えたな、と感じることはありませんか?実はその感覚、データにもしっかり表れているんです。株式会社Reviewが全国14,314件もの飲食店開業データを分析したところ、驚くべき結果が明らかになりました。なんと、「カフェ・喫茶店」が「飲み屋・居酒屋」を抜いて、全国で最も開業数の多いジャンルになったんです!

これは単なる数字の変動ではなく、私たちが飲食店に求める価値そのものが大きく変化しているサインかもしれません。これまでは「何を食べるか」が中心だったのが、今や「どこでどんな時間を過ごすか」が重視されるようになってきているようです。

カフェ・喫茶店が全国トップに!居酒屋とのデッドヒート

2025年7月から9月にかけて開業した全国の飲食店をジャンル別に見てみると、その動向は非常に興味深いものでした。

カフェ・喫茶店が全国1位

株式会社Reviewの調査によると、最も開業数が多かったのは「カフェ・喫茶店」で1,301件。それに続くのが「飲み屋・居酒屋」で1,300件と、わずか1件差でカフェがトップに躍り出ました。

この結果は、これまでの飲食業界の常識を覆すものと言えるでしょう。かつては飲み屋・居酒屋が飲食店の開業を牽引する存在でしたが、今やカフェがその座を譲り受けています。この背景には、消費者のライフスタイルや飲食店の利用目的の変化が色濃く反映されていると考えられます。

全国飲食店開業数ランキング TOP5

ランキングを見ると、「バー」(899件)、「お菓子・スイーツ」(582件)、「ラーメン」(525件)も上位にランクインしており、飲食業界全体の多様化が進んでいることが分かります。

カフェはもはや「コーヒーを飲む場所」だけじゃない

なぜカフェの開業がこれほど増えているのでしょうか?その理由の一つとして、カフェの利用目的が多様化している点が挙げられます。従来のカフェは、コーヒーを飲んだり、軽食を楽しんだりする場所というイメージが強かったかもしれません。しかし、近年ではその役割が大きく広がっています。

例えば、以下のような目的でカフェを利用する人が増えています。

  • 仕事や勉強をする場所として: リモートワークやフリーランスの増加に伴い、自宅以外の集中できる作業スペースとしてカフェを選ぶ人が増えています。Wi-Fiや電源が完備されたカフェは、オフィス代わりにもなります。

  • 友人と長時間過ごす場所として: 食事の後や待ち合わせに、ゆっくりと会話を楽しむ場所としてカフェが選ばれています。居酒屋よりも落ち着いた雰囲気で、時間を気にせず過ごせるのが魅力です。

  • 「推し活」を楽しむ場所として: アイドルやキャラクターのファンが、推しの誕生日を祝ったり、グッズを持ち寄って交流したりする場としてもカフェが利用されています。コラボカフェなども人気を集めています。

  • ペットと過ごす場所として: ペット同伴可能なカフェが増え、愛するペットと一緒に外出を楽しむ飼い主にとって、貴重な憩いの場となっています。

  • SNS投稿を楽しむ場所として: おしゃれな内装や写真映えするメニューを提供するカフェは、SNSでの情報発信を楽しむ若い世代に特に人気です。美しいラテアートや盛り付けのスイーツは、まさに「インスタ映え」の代表格です。

このように、カフェは単に飲食を提供するだけでなく、空間や体験そのものに価値を見出す消費者が増えていることを示唆しています。韓国風カフェや作業に特化したカフェなど、飲食以外の付加価値を提供する店舗が増えているのも、このトレンドを裏付けていると言えるでしょう。

「お菓子・スイーツ」が「ラーメン」を上回る!プチ贅沢消費の波

今回の調査でさらに注目すべきは、「お菓子・スイーツ」ジャンルの躍進です。なんと、お菓子・スイーツの開業数は582件となり、「ラーメン」の525件を上回る結果となりました。

ラーメンは依然として高い人気を誇るジャンルですが、近年は原材料費や光熱費、人件費の高騰など、開業・運営コストの負担が大きくなっています。一方でスイーツ業態は、比較的小規模なスペースで開業しやすく、テイクアウト需要との相性も良いため、新規参入のハードルが比較的低い傾向にあるのかもしれません。

スイーツは「気分を上げるための消費」の受け皿に

最近のスイーツトレンドを振り返ると、生ドーナツ、アサイーボウル、ドバイチョコレート、韓国スイーツなど、SNSをきっかけに爆発的な人気を博す商品が次々と登場しています。これらのスイーツに共通するのは、「日常の中で少しだけ特別感を味わえる」という点です。

物価上昇が続く現代において、消費者は「プチ贅沢」を求める傾向にあります。数百円から千円程度で楽しめるスイーツは、日々の生活に彩りを与え、「自分へのご褒美」としても最適です。さらに、写真に収めたくなるような見た目の美しさも、SNS時代において重要な要素となっています。

今回のデータは、「お腹を満たすための外食」だけでなく、「気分を上げたり、心を満たしたりするための消費」への関心が高まっていることをはっきりと示していると言えるでしょう。

「食べる場所」から「過ごす場所」へ。飲食店が映し出す消費の変化

今回の開業データからは、飲食店市場において消費者が求める価値そのものが大きく変化している様子が見て取れます。

「食べる場所」から「過ごす場所」へ

これまでの外食では、安さ、提供の早さ、満腹感といった実用的な価値が重視されてきました。しかし、現代の消費者はそれだけでは満足しません。居心地の良い空間で過ごしたい、写真に残したくなる体験をしたい、友人や家族との貴重な時間を大切にしたい、あるいは「推し活」や趣味を楽しめる場所が欲しいといった、より感情的・体験的なニーズが高まっています。

飲食店は、人々が集い、新しい文化や消費が生まれる場所でもあります。そのため、飲食店の開業データは、単なる店舗数の増減にとどまらず、「これから何が求められるのか」という消費者の価値観の変化や社会のトレンドを映し出す鏡とも言えるでしょう。

今回の調査結果は、飲食店が単に食事をする場所という枠を超え、時間や体験そのものを楽しむ「過ごす場所」へと進化していることを示唆しています。これは、私たちの暮らしや価値観、そして社会全体の変化を鮮やかに描き出していると言えるでしょう。

調査を支える「YOROZU DATA」とは

今回の分析データは、株式会社Reviewが提供するデータプラットフォーム「YOROZU DATA(ヨロズデータ)」に基づいています。

「YOROZU DATA」は、全国の店舗や法人情報を「ITと人」の独自手法で収集・整備し、営業、マーケティング、商品企画などの意思決定をサポートするプラットフォームです。多くのデータサービスが高額なサブスクリプション契約を前提としている中で、「YOROZU DATA」はアカウント登録が無料で、「必要なデータを、必要なときに、必要な分だけ使える」という柔軟な設計が特徴です。

このデータプラットフォームを通じて、株式会社Reviewは「ビジネスをラクに、生活を楽に」という理念のもと、多くの企業の新たなビジネスチャンスを創出し、地域経済の活性化に貢献していくことを目指しています。約6,500名の登録パートナーの力と独自のAI技術、データの力を活用し、新しい未来の形を創造していくという取り組みにも注目です。

まとめ:飲食店が示す、これからの消費のカタチ

今回の飲食店開業データ分析は、私たちの消費行動が「モノ」から「コト」、そして「体験」へとシフトしていることを強く示唆しています。カフェやスイーツ店の増加は、単に美味しいものを求めるだけでなく、その場所で得られる時間や体験、そしてそこから生まれる感情的な価値を重視する傾向が強まっていることの表れです。

今後も、飲食店は食事を提供するだけでなく、多様なライフスタイルや価値観に応える「特別な場所」としての役割を拡大していくことでしょう。今回のレポートが、飲食業界に関わる人々にとって、これからの市場変化やビジネスの可能性を考えるきっかけとなれば幸いです。


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