深刻化する食料問題と地球温暖化に立ち向かう農業の現状

近年、地球温暖化による気候変動は、私たちの生活、特に食料生産に大きな影響を与えていますよね。異常気象による農作物の不作や、農業に携わる人たちの減少、そして将来の食料供給をどう確保していくかという問題は、世界中で深刻な課題となっています。

こんな状況の中で、注目されているのが「環境制御型農業」なんです。環境制御型農業って、簡単に言うと、温度や湿度、光、二酸化炭素濃度といった栽培環境をコンピューターで徹底的に管理して、植物の生育を最適化し、収穫量を増やそうという農業のスタイルです。例えば、水耕栽培なんかがその代表例ですね。土を使わずに、水と養液だけで作物を育てることで、天候に左右されずに安定した生産が可能になります。

でも、この環境制御型農業にも課題がありました。特に、水耕栽培などで使われる培地(植物を支える材料)には、ウレタンやロックウールといったものが一般的だったんです。これらの培地は、製造から廃棄までのライフサイクル全体で、結構な量のCO2を排出してしまうという問題があったんですよね。環境に配慮した農業を目指しているのに、使う資材が環境に負荷をかけてしまうというのは、ちょっと本末転倒な部分もあったわけです。

日本が目指す「脱炭素社会」と企業に求められる責任

日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという、非常に大きな目標を掲げています。その中間目標として、2030年度には2013年度と比べて46%削減、さらに2035年度には60%削減を目指すという、国際的な約束もしているんです。これは、私たち一人ひとりの生活だけでなく、企業活動にも大きな影響を与えることになります。

特に、2026年からは年間10万トン以上のCO2を排出する企業を対象に、排出量取引制度が本格的に始まる予定です。これは、企業がどれだけCO2を排出したかに責任を持ち、排出枠をしっかり管理していかなければならないという制度です。つまり、これからは企業にとって、環境負荷をいかに減らすかということが、事業を続けていく上で非常に重要なテーマになってくる、ということなんですね。だからこそ、環境制御型農業においても、もっともっと環境に優しい方法が強く求められているんです。

画期的な栽培培地「SmartSoil」って何がすごいの?

そんな中で、今回マクニカが協業するリラタ社が開発したのが、この「SmartSoil」です。リラタ社は、エンジニアリングと植物科学、そしてAI技術を融合させて、環境負荷の低い次世代の栽培培地を開発しているアグリテック/クリーンテック企業なんです。トロント大学工学部からスピンアウトした企業というのも、その技術力の高さを物語っていますよね。ちなみに、リラタ社の「SmartSoil」は、Falling Walls Lab 2024で「世界の今後有望な科学的ブレークスルー100」にも選出されたそうですよ!

「SmartSoil」のコンセプトはとってもユニークです。従来の土の役割である「水を保持する機能」「根を物理的に支える構造」「植物と相互作用する化学的表面」を、生物由来の素材で工業的に再現するという考え方に基づいているんです。これまでのウレタンやロックウール、ココピートといった培地と大きく違うのは、その設計の自由度の高さです。

SmartSoilは、形状や空隙構造(培地の中の隙間)、保水性、そして表面の化学的な性質まで、作物や栽培システムに合わせて自由に設計できるんですよ。これって、例えばイチゴを育てるならイチゴに最適な培地を、レタスならレタスに最適な培地を、といった具合に、まるでオーダーメイドのように調整できるってことなんです。すごいですよね!

そして、何よりも注目すべきはその環境性能です。SmartSoilは、ライフサイクル全体で従来の培地と比べて、CO2排出量をなんと最大65分の1にまで削減できるというんですから、驚きです!これは、地球温暖化対策に大きく貢献してくれるに違いありません。さらに、作物によっては最大10回も再利用できるというから、栽培コストの削減にも繋がる、まさに一石二鳥の技術と言えるでしょう。

リラタ社は、これだけにとどまらず、将来的には植物の免疫を刺激する天然由来の分子を培地の表面に固定化することで、病気に強くしたり、成長をさらに促進したりするような、高機能版のSmartSoilの開発も進めているそうですよ。これはきっと、これからの農業の常識を大きく変えることになるでしょうね!

マクニカの「FIB」が「SmartSoil」の社会実装を加速させる!

今回、リラタ社とMOUを締結したマクニカは、「持続可能な地球環境を創る」ことを企業の重要な課題の一つとして掲げ、積極的に環境問題に取り組んでいます。特に、フード・アグリテック分野においては、オープンイノベーション拠点「Food Agri Tech Incubation Base(FIB)」を開設し、次世代の植物工場向けサービスに必要なデータを集めたり、様々な企業と協力して実証実験を行ったりと、環境制御型農業の社会実装に向けて、これまでも様々な取り組みを進めてきました。

このFIBは、まさに新しい農業技術を試して、育てていくための「実験室」のような場所なんです。マクニカはここで、新しい技術と企業を繋ぎ、社会に役立つ形にしていく役割を担っているんですね。

今回のMOU締結によって、このマクニカのFIBに「SmartSoil」が導入されることになります。FIBでは、生成AIや各種センサーを活用したデータプラットフォームを使って、SmartSoilが実際にどれだけ植物の成長に良い影響を与えるのか、そして運用面でどれくらい使いやすいのかを、従来の培地と比較しながらじっくりと検証していくそうです。例えば、水や肥料の使用量、収穫量、作物の品質、病害の発生状況など、多角的なデータが収集され、分析されることでしょう。

こうしてFIBで得られた貴重な技術的な知見は、リラタ社と共有され、SmartSoilのさらなる改良や、日本国内での社会実装を加速させるために活用されていきます。マクニカとリラタ社は、この取り組みを通じて、環境への負荷や栽培コストを減らしつつも、生産効率はしっかりと維持、あるいは向上させるような、持続可能な環境制御型農業の実現を目指しているんですよ。

カナダ大使館でのMOU締結式の様子
カナダ大使館でのMOU締結式の様子
写真左から:在日カナダ大使館公使(商務)ルイ・ピエール・エモン氏、リラタ社 CEO アドナン・シャリフ氏、マクニカ テクスター カンパニー プレジデント 後藤 正信

日本の農業の未来に期待を込めて

今回のマクニカとリラタ社の協業は、日本の農業にとって、そして地球環境にとっても、非常に大きな一歩となるはずです。CO2排出量を劇的に削減できる「SmartSoil」が日本で広く使われるようになれば、私たちの食料生産がもっと環境に優しく、持続可能なものに変わっていくことでしょう。これは、食料自給率の向上や、農業従事者の負担軽減にも繋がる、たくさんの可能性を秘めた取り組みだと感じます。

FIBでの実証実験を通じて、SmartSoilの技術がさらに磨かれ、将来的には日本全国の農家さんや植物工場で当たり前のように使われる日が来るかもしれませんね。それはきっと、私たちが安心して美味しい野菜を食べられる、より豊かな未来へと繋がるはずです。

マクニカは、この取り組みを通して、持続可能な食料基盤の実現に貢献していくと表明しています。これからも、両社の活躍から目が離せませんね!

リラタ社について

リラタ社は、カナダ・オンタリオ州トロントに本社を置くアグリテック/クリーンテック企業です。エンジニアリングと植物科学における世界トップクラスの専門知識に、VECTOR INSTITUTEのAI技術を融合させ、環境負荷を低減する屋内農場向けの次世代栽培培地「SmartSoil」の開発に取り組んでいます。カナダ政府及びオンタリオ州政府の支援のもと、日本市場での商業化を進めている注目の企業です。

詳しくはこちらをご覧ください: https://www.lyrata.ca/

株式会社マクニカについて

株式会社マクニカは、神奈川県横浜市に本社を置き、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱うサービス・ソリューションカンパニーです。世界33か国/地域100拠点で事業を展開しており、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かして、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。

マクニカについて詳しくはこちら: http://www.macnica.co.jp

本件に関するお問い合わせ先

株式会社マクニカ フード・アグリテック事業担当
TEL:045-470-9841
E-mail:mac-agritech@macnica.co.jp