AI推論ネットワーク「Sovereign Grid」への挑戦
今回の合意書に基づき、両社は2026年度内に共同で実証検証を行います。具体的には、AI insideが提供するAI推論専用ハードウェア「AI inside Cube Atlas 192x」とAI統合基盤「Leapnet」を、アイネットの自社データセンターで稼働させる予定です。
さらに、AI insideが国内データセンター事業者と共にAI推論ネットワークを構築する「Sovereign Grid」への参画についても、アイネットと協議を開始します。Sovereign Gridは、一つの企業が巨大なインフラを構築するのではなく、国内のデータセンター事業者が協力し合い、AI推論インフラの標準を作り上げていくという、なんとも壮大な構想なんです。
データセンターが「AI Factory」になる時代
最近のAIの普及は目覚ましく、それに伴いAI推論の処理需要もどんどん拡大しています。このような状況で、データセンター事業者が自社施設から推論サービスを提供できる体制を整えることは、競争力を高める上で非常に重要になってきています。
AI insideは2026年5月に、国内データセンター事業者の施設に推論専用ハードウェアとAI統合基盤「Leapnet」を一体で展開し、AI推論ネットワークとして接続する「Sovereign Grid」を始動しました。これは、日本全国のデータセンターが連携し、強力なAI推論インフラを築き上げることを目指しています。
一方、アイネットは神奈川県に自社データセンターを保有し、クラウドサービス「Dream Cloud®」を提供する、ベテランのデータセンター事業者です。同社は、AIビジネスの拡大を重点領域の一つと位置づけており、次世代AIデータセンター化、さらにはAI Factory化を進めることで、業界での確固たる地位を築くことを目指しています。
実現を目指す未来のAIサービス
今回の協業が実現すれば、アイネットの自社データセンターに「AI inside Cube Atlas 192x」が設置され、その上にAI統合基盤「Leapnet」が構築されます。
これにより、アイネットは自社データセンターを拠点として、生成AI基盤、AI-OCR、社内文書検索サービスなど、さまざまなAI推論サービスを提供できるようになる見込みです。特に注目すべきは、データを国内の自社施設内で処理できるため、セキュリティを重視する企業にとって、新たな、そして安心できるAI実行環境の選択肢が提供される点です。

両社代表からのメッセージ
AI inside株式会社の代表取締役社長CEOである渡久地 択氏は、今回の提携について「データセンターは、これから来るAGI(汎用人工知能)時代にとって最も重要な産業基盤です。アイネット様が自社のデータセンターをAIの推論を生み出す工場へと進化させるこの取り組みは、日本のAIを日本の基盤の上で動かすための、確かな一歩です。このAIデータセンター戦略と、私たちの『Sovereign Grid』は、同じ方向を向いています。ここから、日本のAI推論力が、地域から立ち上がっていくと確信しています」とコメントしています。
また、株式会社アイネットの代表取締役社長である佐伯 友道氏も、「AI inside様とAI基盤及びAIソリューション提供での協業に向けた基本合意書を締結できましたことを、大変嬉しく思います。デジタル社会の進展とともに、データセンターには従来のインフラとしての役割にとどまらず、AIを活用した新たな価値創出が求められています。当社においても、AIビジネスの拡大は重点領域の一つであり、データセンターの高度化とAI活用の可能性について継続的に検討を進めております。AI inside様が推進する取り組みは、こうした当社の方向性と親和性の高いものと認識しており、本基本合意を契機として、当社データセンターにおけるAI活用の具体化に向けた検討を一層深めてまいります。今後も、お客様のデジタルトランスフォーメーションを支えるパートナーとして、新たな価値の創出に努めてまいります」と、期待を寄せています。
これからの展望
AI insideは、アイネットとの提携を皮切りに、国内データセンター事業者との連携をさらに広げ、日本全体のAI推論インフラの自律的な構築を推進していく方針です。この動きは、日本のAI競争力を底上げし、よりセキュアで高性能なAIサービスが国内で利用できるようになる未来を予感させますね。
AI inside 株式会社ってどんな会社?
AI inside 株式会社は、生成AIや大規模言語モデル(LLM)、自律型AIの研究開発と社会実装を進めるテックカンパニーです。日本語のドキュメント処理に特化したLLM「PolySphere」の開発や、7万ユーザー以上の導入実績を持つ「DX Suite」など、独自のAI基盤の構築と普及に力を入れています。人とAIの協働を通じて、生産性向上と業務効率化、そして「VALUE SHIFT」の実現を目指しています。
株式会社アイネットってどんな会社?
株式会社アイネットは、創業50年を超える老舗のテクノロジーパートナーです。国内最高レベルの安全性を誇る自社データセンターとクラウドサービスを核に、DXサービスや受託計算サービス、プリンティングサービスなど、多岐にわたるサービスを提供し、顧客の経営課題解決をサポートしています。AI、IoT、宇宙事業といった先端分野の開発にも積極的に取り組んでおり、今後の成長が期待されます。
- 株式会社アイネットのウェブサイトはこちら: https://www.inet.co.jp/
今回の協業が、日本のAIインフラをどのように変えていくのか、今後の展開に注目していきましょう!