クッキーレス時代を乗り越える「顧客を理解する力」

近年、インターネット利用者のプライバシー保護に対する意識が高まり、それに伴い、ウェブサイト訪問者の行動を追跡するために広く使われてきた「サードパーティクッキー」の利用規制が世界的に進んでいます。これにより、企業はこれまで外部データに依存していたマーケティング戦略を見直し、自社の顧客接点を通じて「顧客を直接理解する力」をより一層高めることが求められています。

しかし、多くの企業がこの変化に戸惑い、データ活用に関して様々な悩みを抱えています。例えば、社内に散らばる顧客データが部署やチャネルごとに分断されていて、全体像が見えにくいという状況はよく耳にします。また、せっかく集めたデータも、ただ蓄積されているだけで、具体的なマーケティング施策に活かせるような有益な分析ができていない、というケースも少なくありません。結果として、場当たり的な施策に終始してしまい、顧客に一貫した体験を提供できず、短期的な成果に留まってしまうという悪循環に陥りがちです。

このような状況を打破し、質の高い自社データを基盤に、個々のニーズに合わせたパーソナライズされた体験を提供することこそが、次世代のマーケティングにおいて必要不可欠な要素となっています。ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する「データインサイトマーケティングソリューション」は、まさにこうした課題に真っ向からアプローチし、企業のマーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進するための切り札となるでしょう。

データインサイトマーケティングソリューションの全貌

このソリューションは、「データ」「インサイト」「アクション」という3つのステップで構成されており、企業が顧客データを最大限に活用し、ビジネス成果へと繋げるための支援を垂直統合で提供します。

データ収集・統合からデータ分析、ユースケース実現までのプロセス

1. データ:データ基盤の整備・構築

まず第一歩は、企業内に散らばるデータを「使える状態」にすることです。このステップでは、顧客データの収集から整理、そして一元管理できる基盤の構築までを支援します。

  • データの評価基準を明確にするデータアセスメント: 「どんなデータが必要で、今持っているデータはどのくらい使えるのか?」を専門家が評価し、データの有効性を確認します。

  • 集めたデータを活用可能な状態に整理・再定義: バラバラだったデータを「共通のルール」で整理し直し、分析しやすい形に整えます。これにより、データが持つ本来の価値を引き出せるようになります。

  • 分散したデータを収集・集約し、一元管理できるデータ基盤(CDP)を構築: 顧客の属性データや購買履歴、ウェブサイトでの行動履歴など、様々なチャネルから得られるデータを一箇所に集約し、顧客ごとに紐付けて管理する「顧客データプラットフォーム(CDP)」を構築します。これにより、顧客の全体像を把握できるようになります。

2. インサイト:AIを用いた多角的な分析

データが整ったら、次はそのデータに隠された「顧客の本音」を読み解くフェーズです。ソニーグループ独自のAI技術を活用し、多角的な視点から顧客のインサイトを抽出します。

  • データを可視化し、直感的に把握できるBIダッシュボードを構築: 複雑なデータも、グラフや図で分かりやすく表示される「ビジネスインテリジェンス(BI)ダッシュボード」を構築します。これにより、経営層から現場の担当者まで、誰もがデータに基づいた意思決定をスムーズに行えるようになります。

  • AI予測分析ツール「Prediction One」を用いたデータ分析: ソニーグループが提供するAI予測分析ツール「Prediction One」を活用し、「この顧客は将来、サービスを解約する可能性が高い」「この顧客は、こんな商品に興味を持つだろう」といった未来の行動を予測します。これにより、先手を打ったマーケティング施策が可能になります。

  • 感性AI「SENZAI」を用いた消費者の感性や価値観を中心とした多角的なデータ分析: グループ会社であるSMN株式会社が提供する感性AI「SENZAI」は、消費者の「感情」や「価値観」といった、通常のデータ分析では見えにくいインサイトを深掘りします。例えば、「このブランドは、顧客にどんな感情を抱かせているのか」「どんな言葉が響くのか」といった、より人間らしい理解を可能にし、SNSや広告のコミュニケーション戦略に活かせます。

  • AI/データリテラシー強化のための人材育成ソリューションを提供: どんなに優れたツールがあっても、それを使いこなす人材がいなければ宝の持ち腐れです。データ分析結果を正しく理解し、活用できる人材を育てるためのトレーニングも提供し、企業全体のデータ活用能力向上を支援します。

3. アクション:データに基づく施策のコンサルティング・実行支援

最後に、分析によって得られたインサイトを基に、具体的なマーケティング施策へと落とし込み、実行を支援します。ここでは、顧客一人ひとりに寄り添った体験設計と、先端技術の活用がポイントになります。

  • 顧客の志向や感情等のデータ分析結果に基づき、チャネルを横断した顧客体験を設計: 顧客がウェブサイト、メール、店舗など、どのチャネルを利用しても一貫した、パーソナライズされた体験を提供できるよう、全体的な顧客体験の設計をサポートします。

  • 顧客の志向や状態に合わせた最適なタイミングでの広告計画・配信: 顧客の興味や購買フェーズに合わせて、最も効果的なタイミングで、最適なメッセージの広告を配信します。これにより、広告費の無駄をなくし、効率的な顧客獲得を目指します。

  • XRなどの先端技術を活用したコンテンツやプロモーションの企画提案: 拡張現実(XR)などの最新技術を取り入れた、顧客の心に「驚き」や「感動」を与えるようなプロモーションやコンテンツ企画も提案します。これにより、競合との差別化を図り、顧客との強いエンゲージメントを築き上げるでしょう。

「データインサイトマーケティングソリューション」の際立つ特長

このソリューションには、企業が導入しやすい、いくつかの魅力的な特長があります。

  • 企業の課題やフェーズに合わせて少額から導入可能: 「いきなり大規模なシステム投資はちょっと…」と躊躇する企業でも安心です。まずは自社の最も喫緊の課題に絞り、必要な機能からスモールスタートで導入できます。

  • 大規模なシステム投資を前提としない実効性の高い施策から着手: 大掛かりなシステム改修をせずに、今あるリソースを最大限に活用しながら、すぐに効果が出やすい施策から実践していくことが可能です。これにより、早期に成果を実感し、データ活用のモチベーションを高めることができるでしょう。

  • ツールベンダーに依存しない中立的なコンサルティング: 特定のツールやシステムに縛られることなく、企業にとって本当に必要なソリューションを中立的な立場から提案します。これにより、最適な選択が可能となり、長期的に見てコストパフォーマンスの高いデータ活用を実現できます。

想定されるユースケース:具体的な活用シーン

「データインサイトマーケティングソリューション」は、様々な企業の具体的な課題解決に貢献することが期待されています。ここでは、いくつかの想定ユースケースを見てみましょう。

① AIを活用した解約抑止施策費用の最適化

<課題>

  • 顧客がサービスを解約してしまうリスクを事前に特定できず、すべての顧客に対して一律の解約抑止施策を実施しているため、コストが増加している。

  • 顧客データが分散しており、分析できる基盤が整っていないため、効果検証(PDCAサイクル)が回らず、高い解約率が継続している。

<支援例>

  • 顧客の属性データや利用履歴などを収集・整備し、AI予測分析ツール「Prediction One」を用いて、短期間で「解約予測モデル」を構築します。

  • AIが予測した「解約リスクの高い上位層」に絞って、集中した解約抑止施策へ切り替えることで、限られたリソースで最大限の効果を狙います。

<期待できる効果>

  • 解約率の継続的な改善が期待でき、同時に施策にかかるコストも削減できるでしょう。

  • データに基づいて現場の担当者が自律的に分析・施策を実行できる体制が確立され、より効率的な運用が可能になります。

② 分断された顧客データの統合による、属性別ターゲティング広告の実現

<課題>

  • 顧客データが部署や商品ごとにバラバラに管理されているため、広告配信のターゲット精度が頭打ちになっている。

  • CVR(顧客転換率)やROAS(広告費用対効果)が悪化しても、その原因を特定できないまま、広告費だけが膨らみ続けている。

<支援例>

  • 会員情報、購買データ、ウェブサイトでの行動データなどを統合するデータ基盤(CDP)を構築し、顧客情報を日次で最新の状態にアップデートします。

  • 統合された顧客データを基に、年齢、性別、興味関心などの細かいセグメント(顧客層)に分類し、複数のメディアを横断して、より精度の高いターゲティング広告を配信します。

<期待できる効果>

  • 顧客データを基にした高精度の広告配信により、ターゲティング精度が向上し、CVRやROASの改善が期待できます。

  • 組織全体でデータを活用し、科学的な根拠に基づいて広告配信を検討する文化が醸成されるでしょう。

③ ファーストパーティデータとAIエージェント活用による広告制作の効率化

<課題>

  • バナー広告のCVRやROASが悪く、改善のためにはターゲットをさらに細分化する必要があると感じている。

  • しかし、ターゲットを細分化すると、それに比例して広告制作費や外注費が増加したり、広告の品質にバラつきが出たりする懸念がある。

<支援例>

  • ターゲットを細分化するために、社内に蓄積されているファーストパーティデータ(自社が直接収集した顧客データ)を統合するデータ基盤を構築します。

  • 細分化されたセグメントごとの情報を基に、AIエージェントがバナー広告の案を自律的に生成できる運用体制を構築します。

<期待できる効果>

  • 広告制作にかかる工数や外注費を削減しながら、施策のPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)のスピードを向上させることが期待できます。

  • 広告の品質が担保されたまま、多様な広告パターンを効率的に作成できるようになるでしょう。

今後の展望と目指す未来

ソニーネットワークコミュニケーションズは、今後もソニーグループが持つ強みを最大限に活かし、データ分析において継続的にグループの先端技術を取り入れて、サービスの高度化を図っていく予定です。また、データ活用のアクションの選択肢として、エンタメコンテンツの提供範囲を広げていくことも検討しているとのことです。

多くの企業がデータ活用の壁に直面し、顧客に寄り添った価値あるアクションに繋げられずにいるのが現状です。一方で、顧客側も、自分のニーズに合わない一方的な情報提供を「ノイズ」と感じており、企業と顧客双方の間にミスマッチが生じています。

この「データインサイトマーケティングソリューション」は、こうした課題に真摯に向き合い、あらゆる企業が「個」に向き合い、顧客との中長期的な信頼関係を構築できる環境を作ることを目指しています。単にデータ環境を整備するだけでなく、その先に「驚き」や「感動」を伴うような、記憶に残る顧客体験を共に創り上げるパートナーとして、日本国内のマーケティングDXの実現に尽力していくとのことです。

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