T.Y.HARBOR Brewery:東京のクラフトビールシーンを牽引する歴史と革新
「T.Y.HARBOR Brewery」は、1997年創業のレストラン「T.Y.HARBOR」に併設された醸造所として、東京で最も長い歴史を持つクラフトビール醸造所の一つです。開業から30年を迎え、設備の老朽化に伴い、今回の「BREWS」への移転が実現しました。これまでの場所では、スペースや工事内容に制約があったため、レストランの改装時期に合わせてメインブルワリーを隣接する倉庫に移転するという、大規模なプロジェクトとなりました。
新しい醸造所には、最新鋭の設備が導入され、醸造工程の自動化が大幅に進みました。これにより、より安全で働きやすい環境が実現し、醸造士たちはビールの品質向上と新たな挑戦に、より集中できるようになりました。最新技術の導入は、ビールの安定した品質と供給を可能にし、より多くの人々にT.Y.HARBOR Breweryのクラフトビールを届けることを可能にするでしょう。

さらに、「BREWS」の醸造所では、環境保全と持続可能な発展への貢献も大きな目標として掲げられています。これまで廃棄されていたビールの製造過程で出るモルト粕をアップサイクルする設備が新たに設置されました。このモルト粕は、提携する農園で肥料として活用されることになっています。これにより、資源の有効活用だけでなく、地域の農業との連携も生まれ、循環型の社会づくりに貢献する、まさに「人と環境に優しい工場」としての役割も担っています。
直売スペースのカウンターでは、新たに導入される缶ビールはもちろん、環境に優しいグラウラー(再利用可能な容器)で、できたてのビールを持ち帰ることも可能です。自宅でゆっくりと、こだわりのクラフトビールを楽しむことができるのは嬉しいポイントです。また、角打ちスペースでは、様々な種類のビールの試飲に加え、施設限定の「ナイトロビール」を体験できます。ナイトロビールは、通常の炭酸ガスの代わりに窒素を加えることで、驚くほど滑らかでクリーミーな口当たりと、美しいカスケード(泡がグラスの中で滝のように落ちる現象)が楽しめる、新感覚のビールです。この特別な一杯は、ぜひ「BREWS」で味わっていただきたい逸品です。
今後、空中回廊から醸造設備を見て歩くブルワリーツアーも実施される予定です。ビールの製造過程を間近で見学し、そのこだわりや情熱に触れることで、クラフトビールへの理解がさらに深まることでしょう。顧客やファンと様々な形でつながりながら、T.Y.HARBOR Breweryはこれからも東京におけるクラフトビールシーンをリードし続けていくはずです。
NOZY COFFEE 天王洲焙煎所:シングルオリジンの探求と生産者支援
2010年に立ち上がった「NOZY COFFEE」は、早くからシングルオリジンコーヒーの可能性に着目し、その草分け的存在として知られるコーヒー豆ブランドです。これまでは原宿の「THE ROASTERY by NOZY COFFEE」で全ての豆を焙煎してきましたが、本年1月に京都で「flow by nozy coffee」が開業したことで焙煎量が増加。これに伴い、天王洲に新たな焙煎所を設けることで、原宿と天王洲の二拠点体制で焙煎を行うことになりました。
NOZY COFFEEは、かねてよりバイヤー自らが中南米の農園に赴き、生産者との直接的なつながりの中で生豆を仕入れてきました。スペシャルティコーヒーの生産者は、品評会で高額で取引される少量高品質なロットの裏で、大量の「ロースペシャルティ」と呼ばれる豆も生産しています。これらの豆も十分に美味しい品質を持っていますが、品評会ロットほど高値で取引されないことがあります。NOZY COFFEEは、こうしたロースペシャルティの豆も合わせて購入することで、生産者の生活を長期的にサポートし、持続可能なコーヒー生産に貢献しています。
天王洲焙煎所では、主にこのロースペシャルティの豆を焙煎し、「グリーンレーベル」としてこれまでの商品よりもお求めやすい価格で提供します。これにより、より多くの人々がNOZY COFFEEの高品質なシングルオリジンコーヒーを気軽に楽しめるようになります。コーヒー愛好家はもちろん、これからシングルオリジンコーヒーの世界に足を踏み入れたい方にとっても、絶好の機会となるでしょう。

併設されたカフェでは、定番のエスプレッソ系ドリンクに加え、複数のシングルオリジンのドリップコーヒーが楽しめます。それぞれの豆が持つ個性豊かな風味や香りをじっくりと味わうことができるでしょう。そして、ここでしか飲めない「ドラフトコーヒー」は、まさに新感覚の体験を提供します。日本初上陸となるドイツ製マシンを用いて作られるこのアイスコーヒーは、T.Y.HARBORのビールに漬け込み、その香りを移した特別な豆で抽出されます。さらに、空気を混ぜながらタップから注ぐことで、まるでビールのような美しい見た目と、驚くほど滑らかな口当たりを実現しています。コーヒーの概念を覆すような、斬新な一杯をぜひお試しください。
「BREWS」では、アップサイクルフードにも注目が集まっています。エスプレッソを抽出した後のコーヒー粉を混ぜ込んだお菓子や、ビールのモルト粕を混ぜ込んだ生地で作られる季節のパイなど、環境に優しく、しかも美味しいユニークなフードメニューが提供されます。これらのフードは、資源の無駄をなくし、地球に優しい食のあり方を提案するだけでなく、新たな食の楽しみ方を発見させてくれることでしょう。
空間を彩るデザインのこだわり
「BREWS」の魅力は、提供される商品や体験だけにとどまりません。築70年を超える倉庫を現代的なクラフトの空間へと昇華させたデザインにも、深いこだわりが込められています。
インテリアデザインを手がけたのは、KROWの長﨑 健一氏です。長﨑氏は、レストランやカフェ、アパレルショップなど、様々な商業施設を中心に活動されており、クライアントと共に「訪れる人が心地よい時間を過ごせる空間」を追求されています。その土地ならではの魅力を引き出すプランニングを得意とし、時代に左右されず、歳月を重ねるほどに深みの増す、自然な空気感のある空間を提案されています。「BREWS」の空間も、歴史ある倉庫の骨格を活かしつつ、モダンで洗練された要素が融合した、まさに長﨑氏の哲学が息づく場所となっています。無骨な設備と温かみのある素材が絶妙なバランスで配置され、訪れる人々がリラックスしてクラフトの世界に浸れるような、居心地の良い雰囲気を醸し出しています。
グラフィックデザインを担当したのは、MORI DESIGN INC.の森 治樹氏です。森氏は、「機能する・伝わるデザイン」を軸に、時代を超えて記憶に残るデザイン表現を目指すグラフィックデザイン事務所の代表を務めていらっしゃいます。日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)の会員でもあり、その手腕は高く評価されています。「BREWS」のロゴや各種グラフィックも、クラフトの精神を表現しつつ、多くの人々に親しまれるような、洗練されたデザインが特徴です。ブランド全体の一貫した世界観を構築し、訪れる人々に「BREWS」のストーリーを伝えています。
「BREWS」で生まれる「つながり」
「BREWS」は、単なるビール醸造所とコーヒー焙煎所の複合施設ではありません。そこは、クラフトという共通のテーマを通じて、様々な人々がつながり、新しい文化が生まれる場所となることを目指しています。
ビール好きとコーヒー好きが同じ空間でそれぞれのこだわりを語り合ったり、ブルワリーツアーやコーヒーセミナーで新たな知識を深めたり、あるいはアップサイクルフードを通じて環境問題について考えるきっかけを得たりと、多様な「つながり」が生まれる可能性を秘めています。生産者と消費者を直接結びつけるNOZY COFFEEの取り組みや、モルト粕を肥料として活用するT.Y.HARBOR Breweryの循環型システムは、食を取り巻く環境への意識を高め、より良い未来へとつながる一歩となるでしょう。
天王洲アイルという、水辺に囲まれた開放的なロケーションも、「BREWS」の魅力を一層引き立てています。散策の途中に立ち寄って、こだわりの一杯を味わいながら、ゆったりとした時間を過ごすのも良いでしょう。仕事帰りに仲間と立ち寄って、美味しいビールやコーヒーを囲んで語り合うのも素敵です。
店舗情報
「BREWS」の詳しい店舗情報は以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 店名 | BREWS (ブリューズ) |
| 住所 | 東京都品川区東品川2-1-3 |
| 電話番号 | 03-6433-9033 |
| 営業時間 | 11:00 ~ 21:00 |
| アクセス | 東京モノレール 天王洲アイル駅 中央口より徒歩すぐ |
「BREWS」の最新情報やイベント情報については、公式ウェブサイトやInstagramで確認できます。
おわりに
天王洲アイルに誕生した「BREWS」は、単なる飲食店や製造施設にとどまらない、複合的な魅力を持つ新しいスポットです。T.Y.HARBOR Breweryの長年の歴史と革新、NOZY COFFEEのシングルオリジンへの情熱と生産者支援、そして環境への配慮という、現代社会が求める価値が凝縮されています。ここでしか味わえない限定商品や、五感を刺激する空間デザイン、そして「クラフト」を通じて生まれる人々のつながりは、訪れる人々にきっと忘れられない体験を提供してくれることでしょう。天王洲アイルの新たなランドマークとして、これからの発展が非常に楽しみな施設です。ぜひ一度、足を運んで、その魅力を体感してみてください。