2026年9月、Appleが発表したiPhone 18シリーズが話題を集めている。注目すべきは製品そのものより、その価格設定と発表されなかったモデルにある。複数店舗を経営しながら現場でデバイスを導入してきた立場から見ると、今回の発表はスマホ市場全体の転換点を示唆している。
発表された3モデルと価格戦略
今回登場したのはiPhone 18 Pro(219,800円)、iPhone 18 Pro Max(239,800円)、そして初の折りたたみモデルとなるiPhone Duo(364,800円)の3機種だ。
Pro系モデルは6.3インチと6.9インチの120Hz有機ELディスプレイを搭載し、A20チップを採用。ストレージは256GB/512GB/1TBの構成で、IP68防水に対応する。一方のDuoは7.6インチのメイン画面に5.4インチのサブディスプレイを備え、折りたたみ機構ゆえかIP48と防水性能は一段落ちる。
店舗での業務用端末として考えた場合、36万円超という価格は導入のハードルが高すぎる。従業員に持たせる端末として現実的な選択肢にはなりえない数字だ。
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無印モデル未発表が意味するもの
今回最も注目すべきは、iPhone 18の無印モデルが発表されなかった点だろう。代わりにiPhone 16とiPhone 17が継続販売されるが、価格は大幅に引き上げられた。iPhone 17は159,800円、iPhone 16は139,800円と、それぞれ1.5万円以上の値上げとなっている。
現場目線で言えば、これは製品ライフサイクルの転換を示している。カメラや車と同様、スマホも毎年モデルチェンジする必要がない成熟期に入ったということだ。実際、店舗で使っている業務用端末も3〜4年サイクルで十分機能している。
スペック進化の限界
iPhone 17 Proと18 Proのカタログスペックを比較すると、ディスプレイサイズや解像度、バッテリー容量などほぼ変わらない。唯一の変化はメインカメラの絞り機構追加で、F値がF1.78からF1.48に明るくなった程度だ。
ただし1/1.28インチという小型センサーでは、絞りによるボケ表現の幅は限定的。実用上の差は暗所撮影がわずかに改善される程度と見ていい。この程度の進化に4万円の価格差を払う価値があるかは疑問だ。
折りたたみDuoに見る本音
36万円という価格設定は、Appleが本気で売る気がないことを物語っている。Galaxy Z Foldシリーズが8年前から市場にあるなか、今さら参入する折りたたみ市場に大きな成長余地はない。
店舗運営の視点では、折りたたみスマホの需要は極めて限定的だ。画面が大きくなるメリットより、故障リスクや価格の高さがデメリットとして大きい。実際、街中で折りたたみスマホを使っている人を見かけることはほとんどない。
話題性維持のための製品
それでもDuoを発表した理由は、Appleブランドの存在感維持にある。無印は出さない、Proも進化が少ない中で、何か目新しさを提示する必要があった。折りたたみという「新カテゴリー」は、その役割を果たすための道具に過ぎない。
Vision Proと同じく、一部の先進的なユーザー向けに高価格で提供し、利益を確保しながら話題を作る。これが今のAppleの戦略だろう。
現場目線での購入推奨
店舗で使う業務用端末、あるいは個人利用として今iPhoneを買うなら、新型より中古のiPhone 16 Proを推奨したい。2年レンタルの返却品が市場に出回る時期で、状態の良い個体が手頃な価格で入手できる。
16 ProならUSB-C端子、5倍望遠カメラ、カメラコントロールボタンと必要な機能は揃っている。17無印を16万円で買うより、16 Proを同価格帯で探す方がコストパフォーマンスは高い。
円安時期の購入は避けるべき
現在の価格設定は円安の影響を強く受けている。為替が落ち着けば価格も調整される可能性があるため、急ぎでなければ購入を見送るのも選択肢だ。店舗の端末更新も、この時期は一旦様子見している。
まとめ:成熟市場での戦い方
今回の発表から読み取れるのは、スマホ市場の成熟とAppleの戦略転換だ。毎年の新型発表というチキンレースから降りる準備を始めている。
店舗経営の観点では、これは健全な変化だと考える。過剰なスペック競争より、必要十分な性能を適正価格で提供する方向へシフトすべき時期に来ている。ただし現状の20万円超という価格帯は、まだ適正とは言えない。
iPhone 18シリーズは技術的には優れているが、コストパフォーマンスの面で推奨しづらい。市場と為替の動向を見ながら、購入タイミングを慎重に判断したい。
参考: 2week.net「【iPhone 18シリーズ】全部微妙。折りたたみ[Duo]に見るAppleの苦悩」
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