AI開発の広がり:設計レビューから多角的な支援へ

認定当初、JINGSが手掛けていたAIは、設計レビューを支援する「リーンAI」というツールでした。これは、仕様書と過去の不具合事例を照らし合わせることで、見落としがちな確認漏れを洗い出すAIエージェントです。製造業の設計現場では、複雑な仕様書と膨大な過去のデータの中から、潜在的なリスクを見つけ出す作業が不可欠ですが、これは非常に時間と労力を要する作業でした。リーンAIは、この初歩的ながらも重要な確認作業をAIの力で効率化し、設計品質の向上に貢献してきました。

しかし、この1年間でJINGSのAI開発はさらに大きく広がりました。現在は、FMEA(故障モード影響解析)の作成支援、DR(設計レビュー)の支援、さらにはDRBFM(変更点を起点にした設計レビュー)のドラフト生成といった、より多様な設計プロセスをカバーするようになっています。

FMEAは、製品やプロセスの潜在的な故障モードを特定し、その影響を評価することで、未然に不具合を防ぐための重要な解析手法です。また、DR(設計レビュー)は、設計の各段階で専門家が集まり、設計内容の妥当性やリスクを評価するプロセスであり、DRBFMは変更点に焦点を当ててリスクを評価することで、変更に伴う新たな問題発生を防ぎます。これらの高度な設計・品質管理プロセスにおいて、AIがドラフト生成や情報整理を支援することで、設計者はより本質的な議論や判断に集中できるようになります。これにより、設計の一場面だけでなく、DRの前後で繰り返し発生する確認作業全体を、複数のAIツールで効率的にカバーできる体制が構築されたのです。

東大発のAI人材コミュニティが牽引する技術力

JINGSの成長を支えるのは、技術力の向上だけではありません。人材面でも大きな進展がありました。東京大学の松尾研究室の学生コミュニティMACCや、GCI(グローバル消費インテリジェンス寄付講座)を修了した優秀なメンバーが、エンジニアとしてJINGSに加わっています。これにより、最先端のAI技術だけでなく、製造業の現場を深く理解した上でAIを実装できる人材を、東京大学発のコミュニティから継続的に受け入れられる強固な体制が確立されつつあります。これは、理論と実践を結びつけ、本当に現場で使えるAIを開発する上で非常に重要な要素と言えるでしょう。

現場の声に耳を傾け、課題をAIで解決

JINGSは、AI開発を机上の空論で終わらせることなく、積極的に現場の声を吸い上げる努力を続けています。2025年3月のDXPO展示会への出展を皮切りに、2026年7月にはTECHNO-FRONTIER 2026にも出展しました。これらの展示会では、品質保証、設計、生産技術の担当者と直接対話する貴重な機会を得ました。

「日本のモノづくり」に関する講演会で、講師が聴衆に向けてプレゼンテーションを行っている。スライドには、過去の失敗を教訓に品質保証と信頼を築く改善サイクルが示されており、聴衆は熱心に耳を傾けている。

現場からは、「レビューの指摘が人によってばらつく」「過去の類似設計を探すのに時間がかかる」といった具体的な課題が繰り返し聞かれました。人によるレビューのばらつきは、品質の不安定さや属人化につながり、過去の設計データを探す手間は、開発サイクルの長期化や効率低下を招きます。これらの生の声は、JINGSがAI開発の方向性を定める上で非常に重要な示唆を与え、より現場に寄り添ったソリューション開発へとつながっています。

JINGSが掲げるミッションとビジョン

JINGSは、「日本のものづくりで、後世に誇れる社会を創る」という壮大なミッションを掲げています。そして、「ものづくりの土台となり、世界の現場を動かす」ことをビジョンとしています。このミッションとビジョンは、単なるスローガンではなく、同社のAI開発の根幹を成すものです。松尾研発スタートアップとしての認定は、この大きな目標を具体的なプロダクトと強固な体制に落とし込み、実現していく上での強力な後ろ盾となっていることでしょう。

夕焼けを背景に都市と工場が広がる風景に、企業ロゴ「JINGS AI for the Bold and Ambitious」と企業理念が示されています。MISSIONは「モノづくりの力を解き放ち、日本の未来を世界の未来へつなぐ」、VISIONは「日本から世界へ、眠る可能性を呼び覚まし次の100年を創る」とあり、未来志向のメッセージが強調されています。

代表取締役CEOの三上春香氏は、次のようにコメントしています。

「松尾研発スタートアップとして認定をいただいたことを、改めて誇りに思っています。この1年、現場で実際に使われるAIを作ることに向き合ってきました。これからも、日本のものづくりの現場に貢献できる企業であり続けたいと考えています。」

このコメントからも、JINGSが単に技術を追求するだけでなく、日本の製造業の未来に貢献するという強い意志を持っていることが伝わってきます。製造業の現場で何が起きているかを知ることと、それを設計の判断につなげることは、まったく別の作業です。JINGSは、この二つの間にある溝をAIの力で埋めることを、これからも粘り強く続けていくことでしょう。

お問い合わせ・無料相談

設計レビュー、設計FMEA・工程FMEA、品質保証、製造工程におけるAI活用をご検討の企業様は、JINGSまでお気軽にお問い合わせください。

JINGSは、現在の業務や課題を整理したうえで、AIを活用できる範囲や具体的な進め方をご提案します。

  • メールアドレス:jingssales@jings.jp

会社情報

JINGSの詳細は、以下の情報をご確認ください。

  • 代表者: 代表取締役CEO 三上 春香

  • 本社所在地: 東京都文京区本郷6丁目25-14宗文館ビル3F

  • 設立: 2024年4月22日

  • 事業内容:

    • 製造業向けAIエージェント開発・提供

    • DXコンサルティング・AI開発

    • オーダーメイドAIシステム開発

    • 生成AI/LLMを活用した業務効率化支援

  • コーポレートサイト: https://jings.jp

  • 認定・パートナーシップ:

    • 東京大学松尾研発スタートアップ認定 (2025年3月21日認定)

    • NTTPCパートナー Innovation LAB共創パートナープログラムに参画

  • 主要取引先実績:

    • 国内大手完成車メーカー

    • 国内大手Tier1・Tier2自動車部品メーカー

    • グローリー株式会社

    • シスメックス株式会社

    • Astemo株式会社

    • 株式会社タダノ

    • その他、製造業・建設業を中心とする複数企業