進む二季化と夏季の長期化が小売・流通業界に与える影響

近年、地球温暖化の影響で夏の期間が伸び、秋の訪れが遅れる傾向が続いています。この現象は、私たちの生活だけでなく、小売・流通業界の販促戦略にも大きな変化をもたらしているんです。

「Shufoo!AI」の「テーマ分析」によると、「夏」をテーマにした企画の掲載期間はどんどん長くなっていて、「秋」テーマの立ち上がりは後ろ倒しになっていることが分かりました。

夏・秋テーマのチラシ掲載数推移

今年も猛暑や残暑が長引くと予想されているので、昨年と同様に夏物商品の需要や販売期間が長期化するでしょう。

気候変動が8月〜9月のチラシタイトルに与える影響

過去3年間(2023年~2025年)の夏季(8月1日~31日)と秋季(9月1日~31日)に配信されたチラシを「チラシ分析」で見てみると、そのタイトルに面白い変化が見られました。

2023年の8月は「新学期」「夏祭」「夏の終わり」など、季節の節目や夏の終わりを感じさせるタイトルが多かったのに対し、2025年では「夏バテ解消」「残暑」「暑気払い」といった、8月後半になっても続く厳しい暑さへの対応を促すキーワードが増えています。つまり、チラシの訴求内容が「季節の先取り」から「目の前の暑さ対策」へと変化しているわけですね。

さらに、9月のチラシテーマにも構造的な変化が起きています。

2023年は「秋の〇〇」、2024年は「秋到来」「秋の新発見」「秋の味覚市」といった「秋真っ只中」を前提とした表現が多かったのですが、2025年には「秋を先取り」「初秋」「秋の準備」など、秋の訪れを待つようなテーマが増加しているんです。これは、体感的な季節と暦に約1ヵ月のズレが生じ、「実質的な夏と冬の二季化」が進んでいることが背景にあると考えられます。

うなぎの価格推移から読み解く「土用の丑の日」の販促変化

夏のイベントといえば、「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣が定着していますよね。このうなぎの販促にも、価格が大きく影響していることが分かりました。

東京都中央卸売市場のデータ(※2)を見ると、うなぎの月別卸売平均価格は低下傾向にあります。近年の豊漁もあって、2025年夏季(7月~9月)の価格は例年より約300円~700円も値下がりしました。さらに、2026年4月時点でも、卸売平均価格は例年と比べて大幅に低下しているそうです。

うなぎが手頃な価格になったことで、小売・流通業界の販促にも変化が見られます。7月度に「土用の丑の日」をチラシテーマに掲げた企業は、2023年の86社から2025年には103社へと、年々右肩上がりに増えているんです。この低価格傾向が続けば、2026年の「土用の丑の日」商戦も大いに盛り上がることでしょう。

「Shufoo!AI」の併載分析では、「うなぎのかば焼き」と同時にチラシに掲載されている商品についても調査されました。

うなぎの価格差が大きかった2023年と2025年で比較したところ、「みつば」を除く「しじみ」「活しじみ」「さんしょうの粉」「茶碗蒸し」の4品目の掲載数が大幅に増加していました。特に「活しじみ」は2023年比で約1.7倍もの伸び率を記録!昔から「土用うなぎ」「土用しじみ」と言われるように、夏バテ予防の食習慣として、うなぎと一緒にしじみも注目されているのかもしれませんね。このデータからも、うなぎの低価格化が販促テーマだけでなく、関連商品のチラシ掲載にも影響していることがうかがえます。

うなぎのかば焼きと併載されている商品の件数推移

(※2)参考:東京中央卸売市場統計情報・市場取引情報: https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/torihiki/geppo

「焼肉の日(8/29)」は2年連続の週末合致!曜日配列が販促規模を左右する

8月29日は「焼肉の日」!このイベントの販促規模は、曜日配列に大きく左右されることが「テーマ分析」で分かりました。

2025年の「焼肉の日」は週末の金曜日だったため、例年比で約2倍もの企業がこのテーマのチラシを展開し、販促規模がグッと拡大しました。そして、今年の8月29日は土曜日!昨年に引き続き週末に当たるため、夏バテ対策としてスタミナを補給できる食材の需要も高まり、大いに盛り上がることが予測されます。

8月のチラシテーマ掲載数ランキング

コラム:もりや先生のAIデータ解説

もりや先生の AI販促データ 解説

夏の長期化、原材料不足、価格値上げが販促テーマに影響?

近年の気候変動による「夏の長期化」は、消費者心理だけでなく、小売りの販促カレンダーにも大きな影響を与えています。四季の季節感を大切にする日本の文化において、長引く夏はチラシ販促にマンネリ感を与えかねず、販促担当者にとっては頭を悩ませる問題かもしれませんね。

この「夏の長期化」を販促の視点から考えると、いかに消費者を飽きさせずに興味を引く「販促テーマ」を打ち出せるかがカギとなります。残暑が厳しい中で「秋を先取り」「秋の準備」といったテーマや、「焼肉の日」「スタミナ」「夏バテ対策」「防災の日」などのテーマが増加しているのも、そのためだと考えられます。

さらに、最近の市場では中東情勢の影響による「原材料不足」や「価格値上げ」も無視できません。特に大手チェーンストアでは、安定供給が難しい商品はチラシへの掲載が見送られるケースも出てくるでしょうし、特定カテゴリの商品が値上がりした際には、それに代わる「目玉商品」をどう選ぶかが急務となります。

夏が長く、商品供給に不安定さが予想される今年の夏。プライベートブランド(PB)商品やお惣菜など、流通主導の商品をうまく活用しつつ、消費者を飽きさせない切り口(テーマ)を設定することが、販促活動の成果を最大化するポイントになるのではないでしょうか。

「Shufoo!AI」で販促戦略をもっとスマートに!

今回の分析で大活躍した「Shufoo!AI」は、国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!」が持つ全国365日のチラシデータとユーザーデータを活用しているんです。チラシ画像をAIとOCRで分解・構造化し、多角的な要素を分析することで、効果予測や販促生成AIモデルの構築を実現しています。これからの販促活動には欠かせないツールになりそうですね!

「Shufoo!AI」についてもっと知りたい方はこちらをチェック!
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「Shufoo!」は、月間1,600万人(2026年6月現在)が利用する国内最大級の電子チラシサービスです。全国12万店以上のスーパーやホームセンター、家電店、ドラッグストアなどのチラシを無料でチェックできるほか、お店のおすすめ商品、タイムセール、バーゲン情報、クーポンや割引デーの情報、レシピ検索など、毎日のお買い物を便利でお得にする情報が満載です。スマートフォンアプリはもちろん、PCやタブレットなど様々な端末で利用できます。

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株式会社ONE COMPATHについて

株式会社ONE COMPATHは、2026年4月時点で従業員130名を擁し、東京都港区に本社を置く企業です。1997年1月20日に設立され、資本金は100百万円。代表取締役社長CEOは早川 礼氏が務めています。「ワンマイル・イノベーション・カンパニー」として、Mapion、Shufoo!、aruku&を中心とした暮らしに寄り添うサービスの展開や、AIや独自データを活用したマーケティング支援を行っています。

株式会社ONE COMPATHの公式サイトはこちら!
https://onecompath.com

今回の分析からもわかるように、AIを活用することで、これまで見えにくかった市場のトレンドや消費者行動の変化を具体的に捉えることができます。小売・流通業界の皆さんも、AIツールを上手に活用して、これからの販促戦略をさらにパワーアップさせてみてはいかがでしょうか!