なぜこの新機能が重要なのか?SNS広告の課題とAIの力

博報堂はこれまでも「AaaS with Meta」の第1弾、第2弾を通じて、インフルエンサー施策における広告効果の最大化に取り組んできました。しかし、SNSにおけるブランドイメージ形成や広告効果の最大化において、クリエイティブが成果を大きく左右することはよく知られています。Metaも、広告投資対効果を最大化するには「優良クリエイティブ」での配信が不可欠だと提唱しています。

従来の広告運用では、「どの訴求軸や素材が最も効果的か」は実際に広告を配信してみないと分からず、検証段階でどうしても予算を消費してしまうという課題がありました。これは、広告主にとって大きな負担だったと言えるでしょう。

そこで博報堂は、Metaとの強固な連携を基盤に、この課題を解決するためのソリューション開発に着手しました。博報堂DYグループが長年培ってきたMetaプラットフォームでの膨大な配信実績データと、独自のAI技術を組み合わせることで、配信前に成果を精緻に予測する「Meta特化のクリエイティブ事前評価機能」が実現したのです。

AIが未来を予測!クリエイティブ選定の新しいカタチ

この新機能のAIモデルは、許諾済みの膨大な配信実績データを学習基盤としています。AIは、画像のサイズやアスペクト比、タイトルといったクリエイティブの「特徴量」(AIが判断・予測・識別を行うために必要な要素を数値化したもの)を徹底的に学習します。

さらにすごいのは、自動車、化粧品、飲料、金融、外食といった業種ごとに異なる消費者の反応傾向をAIが学習し、それぞれの業界に特化した専用モデルを構築している点です。これにより、業界特有の事情やトレンドを考慮したMeta広告に特化した、非常に高精度なスコアリングが可能になりました。

クリエイティブ効果の事前予測による効率化

複数のクリエイティブ候補の中から、AIが「これは優良だ!」と判断したクリエイティブを配信前に選定できるため、広告主は優良クリエイティブに重点的に投資できます。これにより、配信時の検証予算を大幅に抑制し、最適な予算配分を実現するだけでなく、ターゲットリーチの効率化も期待できるでしょう。

実証実験でAIの予測精度が証明!

この新機能は、Metaにおける化粧品、自動車、金融、外食の各業種モデルを用いた実証実験で、その予測精度と有効性がしっかりと証明されています。まずはこれらの4つの業種から活用できる配信モデルが構築されました。

実証実験の結果、「優良」と判定されたクリエイティブのみを配信した場合、すべてのクリエイティブを同金額で配信した場合と比較して、なんとリーチ単価が改善することが確認されました。これは、AIによる事前予測効果と実際の成果が一致したことを示しており、その信頼性は非常に高いと言えるでしょう。

実証実験の結果

今後は、ディスプレイ広告からこの機能の提供が始まり、将来的には対応業種の拡大や、より多様なクリエイティブフォーマットへの対応も進められる予定です。きっと、さらに多くの広告主がこのAIの恩恵を受けられるようになるでしょう。

博報堂DYグループの総合力でマーケティングを加速!

この革新的な取り組みは、博報堂DYグループの横断的なAI専門家集団「HCAI Professionals」の活動の一環としても推進されています。博報堂と博報堂テクノロジーズは、今後も「AaaS」のデータ基盤とMetaが持つ最先端のテクノロジーを組み合わせることで、広告主のマーケティングPDCA(計画・実行・評価・改善)を高速化する機能開発を進めていくとのことです。

「AaaS」ってどんなサービス?

「AaaS」(Advertising as a Service)は、博報堂DYグループが提唱する次世代型の広告メディアビジネスモデルです。これまでの「広告枠の取引」(いわゆる「予約型」)から、「広告効果の最大化」を目指すビジネス(いわゆる「運用型」)への転換を見据えた、広告メディアビジネスのデジタルトランスフォーメーションを果たすための基盤となります。

AaaSは、統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の中で、メディア効果を最大化する「MEDIA BLOOM」というモジュールとして実装されています。今後も生活者データやAIを活用した機能強化が図られる予定で、AaaS®は博報堂の登録商標です。

統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」

2024年6月に博報堂DYホールディングスが開発した「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、マーケティング領域だけでなく、クリエイティブ制作、販促・CRM、さらにはコマースや流通領域までをワンストップで統合・管理できる画期的なプラットフォームです。博報堂DYグループが保有する「生活者 DATA PLATFORM」をベースにAI技術を活用することで、利用者のクリエイティビティを拡張し、新しいコミュニケーションサービスやビジネス創造をサポートします。

CREATIVITY ENGINE BLOOM全体像

CREATIVITY ENGINE BLOOMの強み

  • マーケティング業務の統合・デファクトスタンダード化: STRATEGY、MEDIA、CREATIVEといった各業務を一元管理し、プロセスを統合・標準化することで、労働生産性の向上が期待できます。

  • 生成AI機能を用いた業務の効率化と高度化: 博報堂DYグループが培ったマーケティングノウハウを生成AIにインストールし、生活者のより深い洞察を支援します。ターゲットプロファイルやコンセプト、クリエイティブアイデアなどのクリエイティブワークにおいて、生成AIと人間が協力することで、社員の創造性を高めるサービスが提供されます。

  • 統合マーケティング効果の可視化: 「生活者 DATA PLATFORM」のデータを活用し、統計技術やAI技術を駆使して統合マーケティング効果を測定可能な独自の指標を提供します。また、指標を向上させるための戦略策定や施策開発を支援するマーケティングインテリジェンス機能も提供され、得意先の事業成長に貢献します。

CREATIVITY ENGINE BLOOMは、以下の5つの主要モジュールと、それを支える「生活者発想プラットフォーム」「生活者 DATA PLATFORM」から構成されています。

  • STRATEGY BLOOM: マーケティング戦略の策定を支援するモジュールで、生活者データとクライアント企業のデータを統合し、AI技術を用いて市場構造の可視化やターゲット設定、KPI策定の業務効率化を行います。

  • MEDIA BLOOM: AaaSと連携し、KPI達成のためのメディア効果を最大化するモジュールです。テレビとデジタルを組み合わせたメディア最適化やアロケーションを効率的に策定します。

  • CREATIVE BLOOM: クリエイティブ制作を支援するモジュールで、AIを活用してクリエイティブの評価や自動生成を行い、業務の効率化と高度化を実現します。

  • COMMERCE BLOOM: 購買データとECプラットフォームと連携し、リアルとECを統合したマーケティング戦略立案を支援します。

  • ENGAGEMENT BLOOM: 顧客との良好な関係性を構築するモジュールで、大手SFAやMAツールと「生活者 DATA PLATFORM」を連携し、顧客のLTV向上やOne to Oneマーケティングサービスを提供します。

「生活者発想プラットフォーム」とは?

「生活者発想プラットフォーム」は、生活者や市場への深い理解、そして新しい発見や価値創造をAIとともに行い、AIと生活者発想を融合させてビジネスの拡大を支援する、新しい発想支援基盤です。AIという異なる存在を味方につけることで、生活者の心を動かすアイデアを生み出し、創造性の拡張へとつながる基盤となります。

生活者発想プラットフォーム概念図

生活者発想プラットフォームには、以下の4つの主要機能が備わっています。

  • 生活者: 「バーチャル生活者」との対話を通じて、生活者発想法が詰まった基盤として機能します。

  • 市場: 市場動向を的確に把握し、業界の未来を発想するための基盤です。

  • メディア/生活者インターフェース: 生活者との効果的なコミュニケーションデザインを発想する基盤です。

  • 効果予測: 業界の仮想市場を再現し、マーケティング効果の予測や広告クリエイティブの事前評価、改善をサポートします。

AI-POWERED CREATIVITY 発想

「生活者発想プラットフォーム」で生まれた生活者発想は、「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の各プロダクトをはじめとした様々なマーケティングAIソリューションで精度を高めて実行され、AI時代の企業マーケティングを力強く支援していくことでしょう。

まとめ

今回の「AaaS with Meta」の新機能は、AIが広告クリエイティブの効果とターゲットリーチを事前に予測することで、広告主の皆さんがより効率的かつ効果的にMeta広告を運用できるようになる、まさに画期的な進化です。無駄な検証費用を削減し、最適なクリエイティブでターゲットに響く広告を届けられるようになることで、広告投資のROI(投資収益率)はきっと大きく向上するはずです。

博報堂DYグループのAI技術とMetaのプラットフォームが融合することで、これからの広告マーケティングは、さらにスマートでクリエイティブなものへと発展していくでしょう。今後の展開にも期待が高まりますね!

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