VRうつ病治療システムってどんなもの?
BiPSEEが開発を進めるVRうつ病治療システムは、うつ病に悩む多くの人々にとって、新しい希望となるかもしれません。
ご存じの通り、日本だけでなく世界中でうつ病患者は増加傾向にあり、従来の抗うつ薬治療だけでは、なかなか症状が改善しないケースも少なくありません。特に、認知行動療法は効果が期待される治療法の一つですが、国内での実施率はわずか約6%と、まだまだ多くの患者さんに届いていないのが現状です。
そんな背景の中、BiPSEEのVRうつ病治療システムは、VR(仮想現実)の環境を活用し、デジタル化された認知行動療法的なアプローチで、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の実現を目指しています。これはまさに、ソフトウェアそのものが医療機器となるSaMD(Software as a Medical Device)の一種で、厚生労働省もその特性を踏まえた優先的な審査制度を試行しているほどです。

AIが活躍!CoWorkerの脆弱性診断
医療機器として高い安全性が求められるVRうつ病治療システム。CoWorkerは、このシステムのセキュリティを確かめるために、第三者の視点から「ブラックボックス型ペネトレーションテスト(脆弱性診断)」を実施しました。
ブラックボックス型診断とは、システムのソースコードや内部構造を一切見ずに、まるで実際の攻撃者のように外部から攻撃経路を探るテストのこと。これにより、より現実に近い脅威を想定した評価が可能になります。
この診断で大活躍したのが、CoWorkerが開発したAIを活用した自律型脆弱性診断プラットフォーム「Red Agent」です。Red Agentは、AIエージェントが複数の攻撃パターンを自律的に生成・実行し、脆弱性を探索します。これにより、熟練の専門家が行うような検査を短期間で、しかも高い精度で実現できるのが大きな特長です。

Red Agentは、従来の診断と比較して、診断にかかる時間を最大で10分の1に短縮できるとされています。また、公開されている比較実験では、熟練ペンテスターの成功率を上回る89.1%という高い成功率を達成しており、AIによる自動脆弱性診断が専門家のレベルに達しつつあることを示唆しています。今回の診断では、Webアプリケーション、APIエンドポイント、ユーザー認証、データ通信プロトコルなどが対象となり、患者さんの個人情報や治療データを保護するための暗号化・認可機構も重点的に確認されました。

診断結果と未来への貢献
CoWorkerによる綿密な診断の結果、VRうつ病治療システムには重大な脆弱性は認められず、セキュリティ要件がきちんと満たされていることが確認されました。検出された軽微な改善点については、BiPSEEと共有され、すでに迅速な対処が進められています。これにより、医療データの保護と患者さんの安全性がさらに向上することが期待されます。
CoWorkerは、今回の検証を通じて、急速に成長するデジタル療法分野におけるセキュリティ確保の重要性を広く伝えていきたいと考えています。そして、これからも医療機器を開発する企業への支援を強化していく方針です。
関係者からのメッセージ
今回の重要な取り組みについて、CoWorker株式会社の代表と株式会社BiPSEEの代表からコメントが寄せられています。
CoWorker株式会社 代表取締役 山里 一輝氏
「医療分野ではデジタル技術の活用がどんどん進み、ソフトウェア医療機器(SaMD)やデジタル療法といった新しい医療の形が広がっています。その一方で、最近では海外で医療機関や医療機器を狙ったサイバー攻撃が増えているため、医療機器の開発段階からセキュリティ検証を行うことがますます重要になっています。医療システムは、患者さんの個人情報や診療データなど、本当に大切な情報を扱うので、サイバーセキュリティをしっかり確保することが、医療の安全性を支える大切な土台となるんです。
今回、BiPSEE様の先進的なVRうつ病治療システムに対して、ブラックボックス型の脆弱性診断を実施し、重大なリスクがないことを確認できました。AIによる自動診断と、私たち人間の知見を組み合わせることで、医療機器に求められる高いセキュリティ水準の確保に貢献し、医療現場で安心して活用できるデジタル医療の普及を支えてまいります。」
株式会社BiPSEE 代表取締役 松村 雅代氏
「当社のVRうつ病治療システムは、厚生労働省の優先審査制度に指定されるなど、実用化に向けて大きく前進しています。今回、CoWorker社による脆弱性診断を受けたことで、医療データを扱う製品として、患者さんと医療現場にとって大きな安心材料となりました。これからも治験や臨床試験を通じて、実装とセキュリティの両面で信頼される製品づくりを進めてまいります。」

CoWorker株式会社ってどんな会社?
CoWorker株式会社は、高い技術力を強みに、システム開発、ITコンサルティング、そしてセキュリティの3つの分野で事業を展開する、少数精鋭のAIテクノロジーカンパニーです。「Security × AI」をテーマに次世代セキュリティの研究開発を進め、社会の安全基盤の強化に貢献しています。
-
会社名: CoWorker株式会社
-
設立年月: 2019年2月
-
住所: 東京都新宿区西新宿三丁目3番13号西新宿水間ビル6階
-
代表取締役: 山里 一輝
-
事業内容: システム開発 / IT・AI開発コンサルティング / サイバーセキュリティ事業
AIセキュリティサービス「Red Agent」の詳細はこちらで確認できます。
https://www.coworker.co.jp/sec-service#red-agent

まとめ
今回のCoWorkerとBiPSEEの協業は、AIセキュリティ技術が、私たちの生活をより豊かにするデジタルヘルスケアの分野で、いかに重要な役割を果たすかを示しています。安全で信頼できるデジタル医療の普及は、患者さんの安心はもちろん、医療現場の発展にも大きく貢献することでしょう。CoWorkerは今後も、AIを活用したプロダクトとセキュリティ技術で、医療分野をはじめとする重要なインフラ領域のセキュリティ強化に力を入れていくとのことです。デジタル医療が当たり前になる未来に向けて、これからも目が離せませんね!