10年の軌跡:独自アルゴリズムの確立と事業領域の拡張

Sapeetのこれまでの歩みは、独自に開発したAI技術を実際の業務現場に適用し、専門性の高い領域で具体的な事業成果を継続的に創出してきた道のりと言えます。それぞれの時代において、どのような挑戦をしてきたのかを見ていきましょう。

2016年〜:3DアルゴリズムとAIを融合させた技術基盤で創立

Sapeetは創立当初から、AI技術の研究開発に一貫して取り組んできました。特に注目すべきは、アパレル業界向けにAIと3Dアルゴリズムを融合させた技術基盤を構築したことです。この技術は、全身写真や体型アンケートといったデータから、個人の体型寸法や3次元形状を高精度に推定することを可能にしました。これにより、顧客一人ひとりに合わせた最適なアパレル製品の提案や、オーダーメイド体験の向上に貢献し、消費者はよりパーソナライズされたショッピング体験を享受できるようになりました。

2019年〜:AIソリューションの技術基盤強化・知見の蓄積

2019年からは、PKSHA Technologyグループに参画し、AI領域における研究開発基盤と事業開発体制をさらに強化しました。この時期は、単に技術を追求するだけでなく、現在のSapeetのミッションである「ひとを科学し、寄り添いをつくる」という目標達成のために、アルゴリズム開発や事業づくりの知見を蓄積する重要な期間となりました。顧客の真のニーズに応えるための深い洞察と技術の融合が、この時期に培われたと言えるでしょう。

2020年〜:AI SaaSの現場実装開始とウェルネス領域の拡大

2020年、SapeetはAI姿勢分析システム「カルティ シセイカルテ」をリリースし、AI SaaSの現場実装を本格的に開始しました。このシステムは、iPad一台で身体状態を高精度に解析し、未来の身体予測や適切な示唆まで提供できる画期的なサービスです。ベテランスタッフの持つ知見や接客ノウハウをシステムに落とし込むことで、現場の接客力を底上げすることにも貢献しました。人の身体や行動を科学的に分析することで、顧客の継続率向上など、再現性の高い事業成果を生み出す代表的な事例となり、現在の「カルティ」プロダクトシリーズの展開へと繋がっています。

2021年〜:コミュニケーションアルゴリズムの展開

様々な現場DXで培ってきた知見を基に、Sapeetは解析対象を「身体」から「音声や文字での対話」へと拡張しました。独自のコミュニケーションアルゴリズムを開発し、小売業や不動産業界など、より広範な店舗や現場における接客品質の平準化やDX支援に取り組むことで、より多くの企業がAIの恩恵を受けられるよう支援の幅を広げました。

2024年〜:東証グロース上場とExpert AIの発表

2024年には、東京証券取引所グロース市場への上場を果たし、企業としての信頼性と事業の成長性を示しました。この年、Sapeetは創立当初から追求してきた、企業独自のノウハウを拡張する「Expert AI」としての提供価値を言語化し、本格展開を開始しました。これまで培ってきたコアナレッジの解析技術と生成AI技術を融合させ、AIロールプレイングサービス「SAPI ロープレ(旧カルティ ロープレ)」や営業AIエージェントなど、現場の事業成果に直結するAIサービスの開発をさらに加速させています。

2026年~:「SAPEET AX」発表と、事業成果を生む組織変革の支援を展開

そして2026年、Sapeetは「SAPEET AX」という新たなメソッドを発表しました。これは、企業や業界独自の専門知識(Expertise)と、現場に寄り添うチーム、そしてAIの融合によって、コアナレッジをAIで拡張するアプローチです。単なる業務効率化に留まらず、組織全体の変革と事業成果の創出を支援する新たなフェーズへと踏み出しました。この10年にわたる着実な歩みが、現在のSapeetの強固な事業基盤を形成していると言えるでしょう。

10年のAI社会実装で見えてきた、競争優位性を創出するこれからの事業基盤と人材

Sapeetがこの10年間、AIサービスの開発と社会実装を進める中で明確に見えてきたのは、AI活用の成否が技術そのものだけでなく、事業基盤や人材の在り方にも大きく左右されるという事実です。

AI時代に事業価値を創出する事業基盤

AI時代において、真に事業価値を生み出すためには、以下のような特徴を持つ事業基盤が不可欠であるとSapeetは提唱しています。

  • 暗黙知を含めた組織知の統合: 組織内に点在する暗黙知や経験則といった知識が統合され、意思決定と実行を支える共通基盤となっていること。

  • AIとデータによる判断と実行の質の向上: AIとデータを活用して、判断と実行の質を継続的に磨き上げ、顧客に対して圧倒的な価値を創出していること。

  • AIを前提とした業務設計と自律的な学習: AIの活用を前提に業務が設計され、現場で自律的にデータが蓄積・構造化されることで、勝ちパターンを常に更新し続ける循環が確立されていること。

AI時代に価値を創出する人材

また、AI時代に真価を発揮し、価値を創出できる人材には、以下のような特性が求められるとSapeetは考えています。

  • 本質的な「解くべき問い」を定義する能力: 単に正解を出すだけでなく、本質的な課題を見極め、「解くべき問い」を定義し、判断・実行の型に落とし込めること。

  • 変化への主体的な適応と価値創出: 過去の成功体験に固執せず、変化する環境に主体的に順応し、新しい価値を創出できる柔軟性を持つこと。

  • 「リアルの価値・泥臭さ」の理解と尊重: AI時代だからこそ重要となる「リアルの価値」や、現場の「泥臭さ」を理解し、尊重できること。

  • チームやAIとの協働: チームメンバーやAIと心地よく協働できる素直さを持っていること。

Sapeetは、AIを単なるツールとして導入するのではなく、AIをパートナーとして人間のポテンシャルを拡張する事業基盤と人材こそが、AI時代における真の競争優位性を創出すると捉えています。

次の10年へ。Sapeetが求める、共に正解を創る仲間

Sapeetは、ポジションごとの上下関係がないフラットな組織文化を持ち、不確実性の高い環境をむしろ面白がりながら、まだ世の中に答えがない顧客の課題解決に向けて、圧倒的なスピードで進化を続けています。AIと人間の新しい協業環境の正解を創り続ける組織として、Sapeetは次の10年をともに歩む仲間を探しています。この挑戦の先に、Sapeetが目指す未来があると信じています。

Sapeet 代表取締役社長 築山英治氏からのメッセージ

大学の研究室でパソコンひとつから立ち上げたSapeetが、無事創立10周年を迎えられたのは、株主、取引先、パートナー企業の皆様、そして何よりも志を共にするメンバーの支えがあったからだと、代表取締役社長の築山英治氏は深く感謝の意を述べています。

Sapeetは「ひとを科学し、寄り添いをつくる」というミッションを掲げ、独自の「Expert AI」を顧客に提供・実装するAXサービスを磨き続けてきました。近年、生成AIは急速に進化し、社会的な関心も高まっていますが、Sapeetとしては、10年前から一貫して積み重ねてきたアルゴリズム研究と社会実装、そして寄り添いと知的好奇心を持った仲間たちとの取り組みの歴史こそが、現在のSapeetの真価であると捉えています。

これまでの自社の事業運営経験と顧客への伴走経験に基づき、AIを含む先端技術と、専門家や現場のベテランが持つ特別な知見とを掛け合わせたシステムを、日常に溶け込むようなUXで提供することで、そこから豊かな「寄り添い合い」が自然と生まれる。そんな、技術やサービスがあるからこそ人がより人らしくあれる世界を、これからも皆様と共に丁寧に形にしていきたいという強い思いが語られています。

株式会社Sapeetについて

Sapeetは、AIを活用して企業独自のベテラン知見を解析し、競争優位性につながるコア業務の価値を増幅・拡張するExpert AI事業を運営する東京大学発ベンチャーです。コミュニケーションAIや身体分析AIを使いやすいシステムとして提供し、企業のAIと人間の協業体制構築を支援しています。

  • 会社名: 株式会社Sapeet

  • 所在地: 東京都港区芝五丁目13番18号 いちご三田ビル8階

  • 代表者: 代表取締役社長 築山 英治

  • 上場市場: 東京証券取引所 グロース(証券コード:269A)

  • URL: https://sapeet.com/

Sapeetは、これからもAI技術を通じて、社会と人々の生活に貢献し続けることでしょう。